牛久市/神谷小学校

小学生新聞

牛久シャトーの魅力を知り地域に発信できるような活動を

学区内に牛久市がほこる近代化産業遺産の牛久シャトーがある牛久市立神谷小学校。この貴重な文化財を学習に生かそうと、今年度、4年生が総合的な学習の時間で、牛久シャトーについて学んでいる。9月15日(木)には実際に足を運び、本館の建物内部や貯蔵庫を見学させてもらい、牛久シャトーの魅力(みりょく)を十分に知ることができた。

見てふれて香りを感じ牛久シャトーを知る

 牛久シャトーは実業家である神谷傳兵衛が1903(明治36)年に開設した日本初の本格的ワイン醸造場(じょうぞうじょう)。現在も当時の洋風の建物などが残されていて、2007(平成19)年には「近代化産業遺産」に、2008(平成20)年には「事務室(現:本館)」「醗酵(はっこう)室(現:神谷傳兵衛記念館)」「貯蔵庫」の3棟(とう)が国の重要文化財に指定されている。

 事前に市の文化芸術課の人に出前授業を行ってもらい、子どもたちは国産ワイン醸造の発展に大きく貢献(こうけん)した牛久シャトーについて、その歴史や役割、先人たちの努力などについて学んだ。現地でも同課の人が案内をしてくれ、ふだんは公開していない当時の事務室で、かつて使われていた古い家具や道具にふれたり、ワインの醸造所を見学したりした。とくに地下のワイン貯蔵庫では、大きなたると独特な香りやふん囲気に圧倒(あっとう)された様子で、「古いものがしっかり残されていておどろいた」「貴重な資料を大切に保存して残していかなければ」などの感想が聞かれるなど、多くを学ぶことができた。

地域の良さを知り牛久を元気に

 4年生が牛久シャトーについて学んでいるのは「広げよう!自然を守る大切さと牛久元気プロジェクト」をテーマとした学びの一環(いっかん)。自然を守るプロジェクトとして、これまで学校近くの谷津田の自然環境(かんきょう)について、環境保護団体の「アサザ基金」の人から学んできたが、今年はさらに地域の文化財にも目を向け、地域の良さを発信していこうと牛久シャトーの学習にも取り組んでいる。今後は、牛久シャトーについて学んだことをまとめて地域に向けて発信したり、街づくりのアイデアとして提案したりするなどして、学びを発展させていきたいと考えている。

さまざまな方法で地域の財産を活用

 また6年生は牛久シャトーを題材に絵画制作に取り組んでいて、9月7日(水)に自分が描(か)きたい絵の写真をとるために、牛久シャトーを訪れた。園内を歩いて回り、お気に入りの構図を見つけると、各自タブレットで撮影(さつえい)をした。今後、この写真をもとに作品を仕上げていく予定だ。  身近にあって多くの子が行ったことがあるものの、その歴史やワインの醸造などについては学校で学ぶ機会があまりなかったという牛久シャトー。「4年生たちは実際に目で見て、手でふれ、ワインの香りを感じ、五感を使って学ぶことができた貴重な体験となった。6年生も実際に見たことで、より意欲的に取り組んでいる。これからも地元の財産をさまざまな形で学習に生かしていきたい」と教務主任の先生は話した。