モンゴルの子が母国語学ぶ場開設
日本に住むモンゴル出身の子どもたちを対象にしたモンゴル語補習教室「モンゴルこどものオルドン」が2022年10月から、茨城YMCA(つくば市東新井)で開かれている。幼稚園児から小学生まで約30人が毎週土曜日にモンゴル語やモンゴルの文化を学んでいる。
1月14日(土)、年齢やモンゴル語の習熟度別に3クラスに分かれた教室の一室では、小学生5人がモンゴル語を使ってゲームを楽しみながらかけ算を学んでいた。つくば市立吾妻小2年の女子児童は「お友達や先生と勉強できて楽しい」、つくば市立春日学園義務教育学校5年の男子児童は「算数が好きになった」と笑顔だった。
「オルドン」はモンゴル語で宮殿(きゅうでん)。「子どもたちを宮殿の中で大切に育てたい」という願いをこめて教室を立ち上げたのは、つくば市在住14年で5歳(さい)と小5の子の母親でもあるバトジャルガル・ノミンさん。「日本に住む子はモンゴル語を忘れてしまう。帰国しても困らないようにしたい。また母国の友達や家族が遠い分、温かいつながりをつくりたい」とねらいを話す。現在ノミンさんをふくむ5人がボランティアで講師を務める。
スタートして3か月あまり。「子どもがモンゴルの歌を歌うようになった。集いの場をありがとう」と親からも喜ばれ、県外からの問い合わせもあるという。ノミンさんは「今後はゲル(モンゴルの遊牧民の移動式住居)を使ったキャンプも企画(きかく)したい。参加者や協力者を増やしていければ」と話している。