つくば市/輝翔学園
コミュニティスクール導入に向け 地域に愛し愛される学校づくりへ
つくば市立輝翔学園では、令和7年度からのコミュニティスクール導入に向けて準備が進んでいる。谷田部小では2024年創立150年をむかえることも、活動の起爆剤(きばくざい)にしたい考えだ。
「千歳松」に感じる地域の歴史と伝統
谷田部小では5月20日(土)のPTA奉仕(ほうし)作業で、千歳(ちとせ)松の標本を学校の玄関(げんかん)ホールに展示した。千歳松は樹齢(じゅれい)約400年、幹の外周3・6メートルという大木で、今の谷田部小の場所が江戸(えど)時代、谷田部藩(はん)の陣屋(じんや=庁舎)だったころから地域のシンボルだった。標本はいままで校舎の奥(おく)にしまわれていたが、大人が10人がかりで苦労して運び出してくれた。月曜日からさっそく子どもたちが集まり、地域の人たちも「なつかしいね」と訪れ、写真にとるなどしていた。
千歳松の展示には、地域の歴史や伝統を子どもたちに感じてもらうねらいがあった。また谷田部小では今、2024年度の創立150年に向けて、自分たちが調べた地域や学校の魅力(みりょく)を発信しようと、各学年がそれぞれのテーマで取り組んでいる。「歴史あるこの街や本校の良さを残し、未来へ発展させるためにどうしたらいいか考え、自分たちの夢や希望、郷土愛を育むことにもつなげたい」と教務主任。
地域の人たちから街への思いを聞く
地域を知る活動の一つとして、3年生は2022年、社会科の見学で警察署や消防署などを訪問した。消防団の詰所(つめしょ)では団長が制服姿で中を案内し、子どもたちの質問に答えてくれた。「うちの近くにも同じ建物がある」「私のお父さんも団員なの」と消防団を身近に感じている児童も多く、自分たちの街を自らの手で守るという活動についても理解を深めたようだ。
町探検では各班に分かれて商店街を回った。和菓子(わがし)店では何代も続く老舗(しにせ)であること、季節ごとにさまざまな商品が並ぶことなどを知り、農家ではビニールハウスを見学、いろんな工夫をしておいしいトマトを育てていることを知った。この活動には保護者もボランティアとして参加、活動をサポートしながらいっしょに話も聞き、子どもたちが学びを深める様子を目の当たりにするとともに、地域の人たちの街に対する思いなども知ることができた。
150年を契機に地域との関係強化へ
「創立150年という節目を迎えるにあたり、歴史の重みをひしひしと感じている。歴代の先生方に感謝しつつ、子どもたちが未来に希望が持てるような学校づくりを担っていきたい」と校長。これを契機(けいき)として地域との連携(れんけい)強化につなげ、コミュニティスクール導入に向けた土台づくりの一つとしていきたい考えだ。
「地域を大切にし、また地域に支えられる関係がコミュニティスクールへの第一歩だと考えている。本校が地域の方々に愛される存在であること。そのためにも、良い子が育っているところを地域にお見せしていきたい」。