土浦市/中村小学校

全学年が仲良くなれる笑顔を広げる縦割り班活動

 土浦市立中村小学校では、1年生から6年生まで全学年の児童を縦割りにした班活動が活発に行われている。縦割り班のリーダーとなって活動内容の立案から進行までを務める6年生たちの自主性や責任感が育まれるのはもちろん、異学年交流が深まることによって学校全体に仲良く和気あいあいとしたふん囲気が広がる効果もある。

縦のつながりを通して思いやる心が育つ

 1月の寒空の下、2時間目の授業を終えた子どもたちが続々と校庭に飛び出してくる。はじめは好き好きに過ごしていた下級生たちも上級生の姿を見つけるとかけ寄り、縦割り班ごとにまとまると、校庭のあちこちで大なわとびの練習が始まった。

 下級生の背中に手をそえ、なわに入るタイミングを教える上級生の姿がある。足をひっかけてしまった子に「気にしない、気にしない」とはげましの声をかける姿がある。4月からずっと同じ班として活動してきたチームワークをいかし、練習のしめくくりに行われた5分間の計測では100回をこえる記録を出す班も現れた。

リーダーの自覚が自信や成長へつながる

 業間に行われるこの大なわとびは、1月から2月にかけて体育の時間に取り組んでいるなわとび検定に合わせたもの。縦割り班活動の「本番」となる40分間の活動は、毎月1回、火曜の時間割を短縮6時間日課にして行われる。活動の内容を決めるのはそれぞれの班の6年生で、おにごっこや中当て、フルールバスケットなど班の全員がいっしょに楽しめる遊びを選んでいる。

 「昨年度までは4月に年間の予定を決めて活動していたが、今年度から毎月ごとに内容を決めるようにしたことでより積極性や主体性がうまれたように感じる」と、教務主任。他の班と活動場所の調整なども行いながら「今回は何をしようか」と意見を出し合う姿は自治的そのものだ。

縦割り班活動によって深まる心の交流

 高学年の児童にとっては下級生に目を配ることが自己有用感を高める経験となり、低学年の児童にとってはたよれる上級生の存在が安心して学校生活を送る支えとなる。「縦のつながりが深まったことで他学年にも意識が向くようになり、班活動以外の場面でも交流が増えたように感じる」と言葉を続ける教務主任。  本来は学校全体の行事である卒業生を送る会も、昨年は縦割り班の行事としたことで運営を担当した5年生に次のリーダーとしての自覚がうまれるとともに、下級生の間にも「大好きなお兄ちゃん、お姉ちゃんに感謝を伝える」という気持ちがより強く感じられたという。