龍ヶ崎市/大宮小学校

茶道体験で地域の人とふれあい、もてなしや一期一会の心を学ぶ

 龍ケ崎市立大宮小学校の6年生13人が昨年12月19日(火)、学区内に住む夫妻の家へ茶道体験に招かれた。夫妻は元教員で、退職後は自宅で茶道の教室を開き、大宮小の児童を毎年招待している。子どもたちは茶室の落ち着いたふんい気の中で、日本の伝統文化にふれ、そこに流れるわびさびの精神も知ることができた。

実際にお茶を味わい歴史についても学ぶ

 子どもたちは夫妻の宅に到着(とうちゃく)後、2班に分かれて活動。奥さんに茶室に案内され、茶席での立ち居ふるまいなどを教えてもらい、その後、実際にお茶を立ててもらって味わった。茶道の一つ一つの作法や所作にも意味があると知り、それを大事にすることもできた。

 旦那さんは高校の歴史の先生だったので、茶道の歴史を中心に、織田信長や豊臣秀吉ら戦国大名もお茶を愛したことなども話してくれた。社会科の授業では教わらないような専門的な話を興味深く聞き、質問もいろいろ飛び出して、子どもたちにとって得るものが多い時間となった。

きちんと正座してお茶と向き合う

 子どもたちは茶室に入るのも、お茶を立ててもらうのも初めてで、最初は緊張(きんちょう)していたが、夫妻から温かいもてなしの心でむかえられ、次第に気持ちがほぐれてきた。また、この日の出会いに感謝しながら、いっしょにお茶をいただくという、茶道の「一期一会」の精神も感じることができた。

 「事前に勉強したお茶の作法などを実践(じっせん)し、実りある体験になった。子どもたちは学校ではいつも元気いっぱいなので、行儀(ぎょうぎ)よく礼儀(れいぎ)正しくできるか心配もあったが、生き生きと前向きに取り組んでくれた」と、6年担任。ふだんは正座をしたことがなく、足をくずしていいよと言われても、お茶にきちんと向き合う姿勢を大事にしたいと、多くの子が正座のままでがんばったそうだ。

地域の思いを胸に最後の年が始まる

 同小は地域の人たちとのつながりが強く、さまざまな行事を地域との共催(きょうさい)で行っている。運動会も大宮ふるさと協議会との「地域合同運動会」として開かれ、同小を卒業した中学生もボランティアで協力。種目も「玉手箱」「抽選(ちゅうせん)会」「なかよしパンだ」など、幼児からお年寄りまで参加でき、みんなが楽しみにしているものがたくさんある。

 来年度は創立149周年をむかえるが、これを最後に同小は歴史の幕を閉じ、龍ケ崎小に統合されることになる。「いままで支えていただいた地域の方々に感謝の気持ちを示しながら、子どもたちが残り1年を思い残すことなく過ごせるよう、閉校記念行事や最後の運動会なども盛り上げていきたい」と校長。「これほど地域に愛された学校はないと思う。子どもたちには地域の方々の思いも背負いながら、有終の美をかざって本校を巣立ってほしい」とも話している。