かすみがうら博士 解説

【問1】㋐  ブラックバス

ブラックバスは、1975年ごろに漁業やつりの対象として霞ヶ浦に移入された外来魚。

肉食で、ブルーギルやアメリカナマズなどとともに大繁殖(はんしょく)し、

在来のワカサギやテナガエビなどを食べてしまうため、霞ヶ浦の生態系を変えてしまう心配がある。

2005年に制定された「特定外来生物被害防止法」によって、

ブラックバス、ブルーギル、アメリカナマズは、他の場所への放流や移動が禁止された。

霞ヶ浦でも、つった場合はそのまま湖に戻すか、しめて持ち帰るように決められている。

その場に捨てて帰らないなど、つり人たちのマナーが大事だ。

1990年ごろを境に生息数は減少しているというが、つり愛好家には根強い人気のある魚で、

各地でバスつり大会なども開かれている。

【問2】㋒ オオヨシキリ

オオヨシキリはヨシキリの仲間で、初夏に東南アジアから渡(わた)って来る。

オスはアシ原にナワバリをつくり「ギョギョシ、ギョギョシ」とさかんに鳴いてメスをよぶ。

アシ原の奥にいることが多いので、なかなか姿が見られないが、

じっと待っていると、アシの先端(せんたん)スレスレのところを高速で移動したり、

茎(くき)に止まって鳴いているのが見えることもある。

ちなみにオオヨシキリの「ヨシ」は「アシ(葦)」のことで、アシは「悪し(あし)」に通じることから、

「良し(よし)」のヨシに言いかえられたりする。土浦市指定の鳥。

【問3】㋑ 植物プランクトン

アオコは、植物プランクトンである藍藻類(らんそうるい)の一種を指すよび名。

水面に青緑色の粉をまいたように見えることから「アオコ」という。

光合成(こうごうせい)によってどんどん増えるため、ひざしの強い夏には湖内での光合成が進み、水面いっぱいに広がることがある。

水流の少ない水際、船だまり、水路などによどんでたまりやすく、くさるととてもイヤなにおいを発生する。

アオコは、霞ヶ浦に流れこむリンや窒素(ちっそ)という成分が植物プランクトンの養分になることで増えやすい。

リンや窒素は、家庭の台所や風呂、洗濯場やトイレから出る排(はい)水、田畑の肥料、

ちく産場からの廃(はい)水などにふくまれるので、それらを流さないようにする工夫が大事だ。