水戸市/渡里小学校
みんなでつくる「明日も来たいと思える渡里小」
水戸市立渡里小学校は、昨年校舎の長寿命(じゅみょう)化工事が完成し、明るく使いやすい新校舎で創立150周年をむかえた。「明日もまた来たいと思える渡里小学校」を目標に、体験や実物を取り入れた学習の場を増やす学びが行われている。
150周年記念式典で渡里レンジャー復活
1873(明治6)年に発足した同小の創立150周年記念式典が、昨年11月4日(土)に開催(かいさい)された。式典では児童会が企画(きかく)したフォトアルバム、歴史クイズ、渡里レンジャーの復活などがあり、楽しみながら学校の歴史を祝う一日となった。
渡里レンジャーは、より良い学校にするために困っている子を助けるチームで、低学年の子どもたちのあこがれのヒーロー。コロナの影響(えいきょう)で活動を休止していたが、記念式典を機会に児童会が復活させ、渡里小のきまりをテーマにした劇を発表した。当日は、PTA役員や保護者ボランティアによるお祭り「渡里元気村」も開催(かいさい)され、射的などアトラクションや飲食コーナーで楽しい時間を過ごした。
「ホンモノ」を見たり、聞いたり、体験したり
同小では昨年度から、渡里小学校「ホンモノ」シリーズという取り組みを行っている。「これまで4年間近くオンラインでできることを工夫してきたが、ホンモノならではの学びはよりみずみずしいと実感した」という校長の発想で、専門家による実物を五感で味わう「ホンモノ」シリーズに力を入れている。現在25の実施(じっし)内容があり、大豆栽培(さいばい)や、いじめと人権ワークショップ、オリンピック出場の体操選手による体育授業、バイオリン・ピアノ鑑賞会(かんしょうかい)などはば広く、講師には学校から直接お願いしたり、水戸市教育委員会やスポーツ庁などに協力してもらったりしている。バイオリン・ピアノ鑑賞会では、生の演奏を間近で聴(き)いて、子どもたちは目をキラキラ輝かせていた。「ホンモノ」にふれる貴重な体験が、成長につながっていくことを先生たちは願っている。
大学生や地域住民と広がる交流
近隣(きんりん)の茨城大学から、昨年度はのべ90人の学生がボランティアとして来校し、金管バンドの指導や英語の絵本の読み聞かせをしてくれた。地域には渡里住民の会、渡里防犯協会、ボランティアサークル水戸五八五八(ごやごや)会があり、PTAといっしょに子どもたちの登下校の見守りをしてくれている。子どもたちも、地域の防災訓練に参加したり、一人暮らしのお年寄りに年賀状を出したり、積極的に地域とかかわっている。人に会うことの大切さ、「ホンモノ」にふれることの素晴らしさを感じながら、子どもたちは元気に学んでいる。