つくば市/輝翔学園

地域の過去を知り、現在を再認識しながら、より良い未来を考える
つくば市立輝翔学園では「互(たが)いに協働することを通して、主体的な学びを実現する児童生徒の育成」という教育目標の下、子どもの自発的な問いを生かし、協働やコミュニケーションを大切にした学びに取り組んでいる。
にぎわいのあるより魅力的な柳橋に
柳橋小のつくばスタイル科(柳橋プラン)では、4~6年生が学年をこえたグループをつくり、キャリア、環境(かんきょう)、歴史・文化の中から、自分たちでテーマを選んで探究学習を行っている。
キャリアチームでは未来の柳橋を考えた。自然が豊かで人が温かいという良さを大事にしながら、新しいものも取り入れ、にぎわいのある地域にしたい。そこであるグループは、人が集まるような魅力(みりょく)的な複合型施設(しせつ)を造ろうと提案した。
学習成果は昨年11月29日(金)の柳小まつりで発表した。段ボールで作った施設の模型を見せて来場者に説明し、「自分たちなりに考えたものを形にし、多くの人に発信できた」と、子どもたちは満足そうだった。話を聞いた地域の区長は、「子どもたちの柳橋地区の発展を願う考えを土地開発にたずさわる人たちにも伝えていきます」と語った。
地場の野菜を育てポトフにして提供
環境チームは、地域の特色として農業が盛んなことに着目。あるグループは、自分たちでも農作業を体験してみたいと考え、地元農家の協力で野菜づくりに挑戦(ちょうせん)した。草取りでは休み時間なども使って取り組み、「農家の人ってすごいんだなあ」と実感できた。
柳小まつりでは、収穫(しゅうかく)した野菜をポトフにして、保護者や地域の人たちにふるまった。ポトフは好評で、おかわりをする人も大勢いた。また、同じ料理が家庭でも味わえるよう、レシピも作って野菜といっしょに配った。児童の一人は「野菜は多くの人が持ち帰ってくれた。こんなに喜んでもらえると思ってなかったので、やってよかった」と感想を話した。
昔の柳橋小を調べ段ボール模型で再現
歴史・文化チームは、柳橋小が2026年度に創立150周年をむかえるため、今から約50年前、100周年のときの同小について調べた。日本地図センターの人と地域を歩き、昔や今の土地の使われ方についても考えた。
柳小まつりでは、段ボールで作った校舎の模型を展示して説明。「今の学校にもよく見ると、昔からのものがいろいろ残っている。そうした古いものも、今後も大事にしていきたい」との感想が子どもたちから挙がった。
校長は「本校の児童は、いろんなことを知りたい、やってみたいという意欲にあふれている。柳橋プランに限らず、人からあたえられた課題ではなく、自分で疑問に思ったことを探究し、解決できる力を養ってほしい」と話している。