龍ケ崎市/長山小学校

子どもたちから広がる笑顔が地域全体を明るくする学校に
龍ケ崎市立長山小学校は、地域との結びつきがとても強い学校だ。毎朝の登校の見守りのほか、授業の補助や体験学習、読み聞かせなど、さまざまな場面で地域人材が活躍(かつやく)している。6年生のキャリア教育でも地域の人たちが講師を務め、それぞれが仕事を通じて得た経験などを元に、社会で生きるうえで大切なことを子どもたちに伝えた。
目を見ることで言葉以上に伝わる
キャリア教育の第1回講座は昨年9月19日(木)。講師の男性が、外資系の半導体製造会社で技術系の管理職を務め、海外の技術者ともわたり合ってきた経験から、コミュニケーション能力を身に付けることの大切さを話した。例えば会話のときは相手の目を見て、うなずきながら話を聞く。目を見るだけで話の伝わり方がちがうそうだ。
また「夢をかなえるためには、人とのつながりを大事にすることが重要」という話では、子どもたちから「人生を良くするのは自分だと思った」「自分もだれかの役に立てる、人のために何かしてあげられると分かった」などの感想が挙がった。
話し合う楽しさと難しさをともに体験
第2回講座は10月28日(月)、長山地区コミュニティセンター長が「砂漠(さばく)での遭難(そうなん)」をテーマにグループワークを行った。砂漠から抜け出すために、手元に残った限られたアイテムの中でどれを選ぶべきか、班で話し合って合意形成する過程を体験。子どもたちはグループで意見をまとめる楽しさや、友達を上手に説得する難しさを味わい、「大事なことを決めるとき、話し合って納得することの大切さが分かった」「みんなで考えた方が良い考えが出た」などと感想を話した。
言葉のちがいを超えて気持ちを伝え合う
12月17日(火)の第3回講座は、元青年海外協力隊隊員が講師。外国では言葉のかべはもちろん、日本とは文化や環境(かんきょう)が大きく異なるという難しさもある。そこで信頼(しんらい)関係を築くには、自分の気持ちや熱意を伝え、相手と心と心でつながることが大事だそうだ。
青年海外協力隊の活動には世界とつながり、人のために役に立つといった魅力(みりょく)もある。子どもたちからは「海外で人を助ける活動の素晴らしさに共感した」「自分も海外に行ってみようと思った」などの感想が飛び出した。
校長は「子どもたちは地域の方々に見守られ、身近に接しながら多くのことを学び、お世話になっていることに感謝しつつ成長している」と話し、「学校から地域にお返しできるのは子どもの笑顔。ふれあいを大事にしながら地域全体が笑顔になれるような学校をつくりたい」と結んだ。