龍ケ崎市/久保台小学校

人としてよりよく向上するため「自問清掃」で育てる五つの心
龍ケ崎市立久保台小学校では、そうじの時間に自分を見つめ直し、心の成長につなげる「自問清掃(せいそう)」を行っている。「日本では昔から、単に学校をきれいにするよりも、むしろ自分を成長させるためにそうじをする伝統が受けつがれてきた。そうじはいろんな心が育つ大切な時間。学校全体で真剣(しんけん)に取り組みたい」と校長は話す。
しゃべらないで集中して取り組む
自問清掃で育つ第1の心は「がまんする心」。むだなおしゃべりを一切しないで作業にはげむ。これを「黙働(もくどう)」という。人の声には意味があるので、たとえ小さな声でも人の心を乱し、まじめに働こうとするほかの人に迷惑(めいわく)をかけてしまう。だまって取り組むことで、そうじに集中できるという。
始めのうちは、うっかり声を出してしまう人や、気が散ってなかなかそうじに集中できない人もいる。そういうときはいったん作業の手を休め、自分と向き合う時間にする。ほかの人がそうじをしている様子を見て、なぜ自分は集中できなかったかを考え、自分の心が落ち着いたらそうじに復帰する。
困っている人や自分の仕事を探す
第2の心は「人の気持ちをくみとる心」。自問清掃では、何か手伝ってほしいことがあっても口には出さず、気が付いた人が自発的に手伝ってくれるまで待つ。人の考えていることを目だけで理解し、相手が望むように行動することを「気働き」といい、これができるようになると友情や思いやりの心も育つ。
第3の心は「創造する心」。そうじが一通りできてもそれで終わりではなく、余った時間を使って何かできることはないかと探し、例えば本だなの整理をするとか、クーラーの配管の裏をふくなど、めいめいが自分の見つけた仕事をする。そうすると教室のすみずみまできれいになるだけでなく、ねばり強さや集中力、人にたよらない自立心などものびてくる。
人に対する感謝やありがたみが分かる
第4の心は「感謝の心」。自分たちが毎日使う場所をきれいにするのは当然のことであり大切なこと。そうじを続けるうちに、お世話になっている学校や教室、机などのありがたみが分かり、自分たちを見守ってくれている親や先生への感謝の気持ちも生まれてくる。 第5の心は「正直な心」。そうじは人に言われたからやるものではないし、だれかが見ていてもいなくても、変わらず真剣に取り組めるようでありたい。これはだれに対しても裏表がなく、自分の心に沿って正直に生きることにつながっていくという。