つくば市/吾妻学園

興味関心を生かした探究学習「吾妻総合研究所」がスタート
つくば市立吾妻学園の教育目標は「未来に向かいたくましく生きる児童生徒の育成」。吾妻小では今年度から吾妻総合研究所(吾総研)がスタートした。職員が各自の得意分野を生かして立ち上げた16のラボ(研究室)では、子どもたちが主体的な探究学習にはげんでいる。
好きな分野を選び自由に探究学習
吾総研の各ラボでは教科書のわく組みをこえ、好奇心(こうきしん)の向くまま、各自の知りたいテーマや学びたいテーマをとことんほり下げることができる。学習の進め方も自由で、個人に合ったプランを先生と相談して作り上げ、自分なりのやり方やペースで探究する。レポートのまとめ方や発表の仕方もその子に応じて自由だ。
「吾総研は本物の個別最適学習。自分で選んだ課題にじっくりと向き合うことで学習意欲を引き出すだけでなく、考える力や持続する集中力を育み、自立心や責任感、自己管理能力などをのばす」と副教務主任の先生。
どこへ行き着くか分からない面白さ
例えば「歴史探究ラボ〜あなたの知らない百人一首の世界」では競技の百人一首のほか、歴史・人物・言葉などの文化面からもアプローチする。「探究する方向性を一人ひとりに考えてもらい、子どもたちがどんどん追究するのをサポートしたい。集中力や友達の輪、国語や歴史への興味の高まりなど、いろんな力が目覚めると思う」と先生。 「自分と相手と上手く向き合うための心理学ラボ」では、人の心理にかかわるさまざまな物事に目を向ける。例えば「うれしいけど悲しいなど、感情が混ざり合うのはなぜだろう」「どうして自分はあきっぽいのだろう」など自分の気になるテーマを子どもたち自身で導き出し、先生のアドバイスを受けながら研究課題へと練り上げていく。「どう広がっていくかもラボの面白さ。子どもたちの探究心を満たせるように研究課題の設定から実施(じっし)、考察・発表まで全力でサポートしたい」と先生。
上級生や下級生地域社会とも協働
吾総研は4〜6年の異学年交流で、さまざまな場面で協働しながら学習を進める。たがいの考えを伝え合うことで、自分の考えを広げたり深めたりできる。また、年下への思いやりや年上への尊敬の心が育ち、社会で必要な他世代とかかわる力が身につく。
学校外との連携(れんけい)も積極的に行う。出前授業やオンラインミーティングを活用するほか、校外の研究所見学や体験学習など実際に外へ出る機会も設ける。さまざまな年齢(ねんれい)・個性・能力の人と協働し、はば広い考えや価値観を持つ相手ともスマートに交流できるようになる。各ラボそれぞれのやり方で、学びこむ探究が続きそうだ。