土浦市/東小学校

「社会性」を大切に思いやりと笑顔の学校を

 土浦市立東小学校では、今年度の組織目標を「社会性を育て、児童一人一人の自己有用感・自己肯定(こうてい)感を高める教育活動の推進」と定め、特別活動や縦割り班活動、委員会活動などに力を入れている。子どもたちは日々の学校生活とさまざまな活動を通じて「社会性」を身につけ、将来役立つ力を着実にのばしていく。

年間を通じて行うさまざまな特別活動

 1年生をむかえる会にはじまり、運動会や6年生を送る会など、同小では特別活動を充実(じゅうじつ)させている。どの活動も子どもたちが主体となって計画を進め、活動のふり返りも欠かさない。こうした全校行事や縦割り班活動の充実によって異学年交流が深まり、上級生は下級生を思いやる気持ちや責任感が、下級生は上級生をお手本に目標をもって成長する意欲が高まる。
 特別活動のなかでも毎年秋に開かれる「いちょう集会」はまさに特別なイベントで、今年度は9月26日(金)に行われた。

地域の輪もつなぐ伝統の「いちょう集会」

 いちょう集会はいわゆる学習発表会で、3年生が英語学習の成果をいかして英語劇にチャレンジしたり、5年生が世界の国のあいさつをダンスと英語の歌で紹介(しょうかい)したり、学年ごとにステージ発表を行う。「日ごろから主体的な活動に取り組んでいることで、堂々と発表できる活発さや表現力が生きていると感じる」と、教務主任。いちょう集会は保護者や地域の人も観覧することができ、ほぼ全員の保護者が出席して子どもたちの成長に目を細めるという。教頭は「学校への関心や理解が深まり、信頼(しんらい)を築くきっかけの場にもなる。地域主体の東小ボランティア隊の活動も活発で、子どもたちを思う気持ちをありがたく感じる」と話し、110番の家の登録件数が200をこえたことにも地域の支えを実感したと言葉を続けた。

協力する心の大切さ思いやりの学校づくり

 学校生活を通じて社会性や主体性が育まれていることが表れたこんなエピソードがある。先日行われた防犯教室の際に機材のトラブルで10分ほど待ち時間が発生したが、教職員の指示がなくてもざわついたり立ち歩いたりせず、担当の警察官から「とても落ち着いている」と感心されたという。
 「社会性とは、場面や状況(じょうきょう)に応じて行動を判断し、協力する心をもつこと。全員がまわりの人のことを考えることで、学校全体がなごやかなふん囲気に包まれている」と笑顔で話す校長。だからこそ、東っ子は「学校が楽しい」とみんなで胸を張ることができる。