取手市/戸頭小学校

地域で子どもたちを育てるコミュニティ・スクール

戸頭東小と戸頭西小が統合して開校した取手市立戸頭小学校。今年度開校10周年をむかえ、昨年12月には記念の航空写真を撮影(さつえい)した。コミュニティ・スクールもスタートし、地域の人たちが温かく見守る同小は、「子どもの笑顔があふれ、地域とともにある学校」を目指して、学校と保護者、地域が一体となって子どもたちを育んでいる。

登下校の見守りやホタルの放流も

 地域の人たちが子どもたちに付きそい、いっしょに歩いてくる朝の登校風景。同小では、23人のスクールパトロールの人たちが、子どもたちの登校を見守ってくれている。長年、協力してくれている人たちが多く、子どもたちとも顔なじみ。ふだんから子どもたちに声をかけ、気になる様子があると先生に報告してくれたりもする。
 また子どもたちは、地域の人の協力でホタルの放流という貴重な体験もしている。地域の人が大切に育てたホタルを子どもたちのために持ってきてくれ、毎年、子どもたちは近くの公園に放しに行っている。夜になると光り輝(かがや)くホタルは見事で、子どもたちは家族で見に行ったりして、とても楽しみにしている。

一小一中の学区で中学校と連携した活動

  同小は戸頭中と一小一中の学区で、9年間同じメンバーで過ごす。そこで中学校との連携(れんけい)を深めていこうと、昨年9月には戸頭中との合同防災訓練を実施(じっし)。5年生と中学1年生がいっしょに、AEDの使い方、包帯や三角きんのまき方、毛布を使って人を運ぶ方法などを消防署や消防団の人たちから教えてもらい、体験しながら学んだ。また緊急(きんきゅう)時の引きわたし訓練も合同で実施し、中学生が小学校に来て兄弟いっしょに保護者に引きわたす訓練を行った。

保幼小中で連携し子どもたちを見守る

 「今後はさらに一小一中の特色を生かし、地域全体で子どもたちを育てていく体制を整えていきたい」と話す教頭。小中学校で教育目標や目指す児童生徒像を統一するため、先生や保護者、地域の人たちで構成される学校運営協議会では、来年度のグランドデザインの作成に向けて、話し合いを進めている。
 また、専門性を生かした小中学校の先生の相互(そうご)授業や、児童・生徒の交流活動、地域の人をゲストティーチャーにむかえての出前授業などにも取り組んでいければと考えている。さらに近隣(きんりん)の保育園や幼稚園とも協力し、保幼小中連携も深めたい考えだ。「コミュニティ・スクールを活性化し、子どもたちに還元(かんげん)できるような取り組みを行っていきたい」と教頭は来年度に向けて意気ごみを語った。