水戸市/稲荷第二小学校

ファシリテーションを活用し理解し合える安心感を
水戸市立稲荷第二小学校では今年度より、ファシリテーション力の育成に取り組んでいる。毎週月曜に行う15分間のファシリテーションタイムをはじめとする取り組みを通して、児童、教職員ともに「相手の話を聴(き)く力」や「いろいろな意見を引き出す力」などを育み、コミュニケーション力の向上や授業改善につなげていくねらいだ。
対話力は質問力「聴く」ことを大切に
ファシリテーションとは、話し合いがスムーズに進むよう話題を導いたり、さまざまなアイデアを引き出したりする手法のこと。同小では「一人ひとりの意見を生かし、合意形成や課題解決を進める話し合いの技術」と定義している。
ファシリテーションタイムは2人の対話形式で行われ、聴き手は「質問の技」を意識して話題を広げていく。たとえば「好きな食べ物は?」の答えに対して「どんなところが好き?」「なにかエピソードはある?」といった具合に質問を重ね、相手が気持ちよく話せるようあいづちにも気を配る。対話を通して相手を知るだけでなく自分自身の考えのふり返りにもなり、関係が深まることでクラスに安心感が生まれる効果も期待できるという。
相手を知り、尊重する分かり合える安心感を
同小では、話し合いのプロセスを作り、色分けして書き出す「ホワイトボード・ミーティング(R)」も取り入れるため、昨年度より準備を進めてきた。教務主任は「認定講師に来てもらい、ボードを活用したファシリテーションの指導を受ける機会も設けた。課題や目標を可視化することで考えが整理され、発信力や作文力が向上していると感じる」と話し、手応えを見せる。
最終的な目標は、クラスの問題や課題などを話し合いで解決していける力を身につけること。「理解し合える安心感が日常にあることで学校生活がよりいきいきとしたものになり、自信をもって自己実現へ向かうことにつながれば」と校長も期待をよせる。
安心・楽しい学校は地域の力とともに
安心感が土台にある学校生活のためには、地域の力も大きい。同小には地域住民による「二小応援(おうえん)団」があり、登下校時の見守りや環境(かんきょう)美化、授業における技術指導などの活動を行っている。
「さつまいもやバケツ稲(いね)づくり、書写や家庭科など、地域の方が得意を生かして専門的な指導をサポートしてくれる。子どもたちの熱意も高まり、地域の方とのかかわりも深まるとても心強い活動」と、校長は応援団への感謝を示し、地域とともにある学校づくりを大切にしていきたいと言葉を続ける。

