牛久市/向台小学校

子どもたちの思いや願いをサポート 一人一人が自律、成長する学校づくり

 「一人一人が自律、成長する学校」を教育目標にかかげる牛久市立向台小学校では、「自己指導能力(自らの行動を決断し実行する力)」「共感的な人間関係(認め合い、はげまし合い、支え合える力)」の育成を目指した学年学級づくり、授業づくりに取り組んでいる。子どもたちの思いや願いを大切にし、自分たちで考え、みんなで協力して活動できるよう、先生たちはサポートし、温かく見守っている。


自主的に取り組む委員会活動

同小が目指す「自律」とは「自分の特性や役割を自覚し、周りの人と助け合いながら自己を高める力」のこと。自律を育む場の一つが委員会活動で、子どもたちが自らアイデアを出し合い、企画(きかく)をし、主体的に取り組んでいる。
 例えば2月18日(火)に行ったボランティア委員会主催(しゅさい)のイベント「体育館に感謝を伝えよう!」。同27日(木)に45周年の創立記念日をむかえる同小に感謝の気持ちを伝えたいと考え、みんなで体育館を清掃(せいそう)しようと呼びかけた。当日は2年生から6年生の希望者40~50人がぞうきんを持って体育館に集まり、床や手すり、2階のギャラリーまでピカピカにふきあげた。ほかにも集会委員会は全校遊びを企画したり、図書委員会は読み聞かせや読書クイズ大会を実施(じっし)したりするなど、各委員会が自分たちで考え、さまざまな活動に取り組んでいる。
 これらの活動は業間休みやすき間時間などを利用し、自由参加が基本。学校行事ではないため、子どもたちの自由な発想で行うことができる。活動を見守る教頭は「失敗をおそれずにチャレンジして、ふり返って課題を見つけて次に生かし、成長していってほしい」と期待している。

学級から学校全体へ「やりたい」思いを実現

 子どもたちの主体的な活動の土台となっているのが学級での活動だ。学級では役割が決まっている当番活動のほかに自主的に活動する係活動にも取り組み、子どもたちの「やりたい」という思いを実現させている。5年生担任の先生は、「係活動はクラスをよりよくするために、自由な発想で取り組める貴重な機会。自分たちがクラスの役に立っていると感じた経験を学級内だけで終わらせず、学校全体や地域など、より広い場面でも生かしてほしい」と話している。

地域の協力で6年生が職場見学

 同小は地域とのつながりも深く、学校運営協議会のメンバーを中心にさまざまな場面でサポートしてくれる。なかでも6年生の職場見学では、お店や美容院、消防署など20カ所あまりの事業所が協力してくれ、ラジオのFM局では番組に出演もさせてもらうなど貴重な体験もした。地域や人とのつながりもまた、子どもたちの自律をうながし、成長につながっている。