つくばみらい市/富士見ヶ丘小学校

学びの山に楽しく登り 主体性や表現力をいきいきとみがく
つくばみらい市立富士見ヶ丘小学校は、自立心を養うことを目指し、探求的かつ主体的な学びを大切にしている。昨年度は「進んで学び、心豊かで、たくましく生きる児童の育成」を教育目標にかかげ、学習にラーニング・マウンテンを取り入れた。これは単元ごとに目標を立て、そこへ向かうルートを計画したうえで授業を進める学習方法で、学びの道筋が明確になることは学習意欲の高まりにもつながっている。
可視化することで学びの道筋が明確に
ラーニング・マウンテンは、科目の単元を山登りに例え、「どんなことを学ぶか」という目標(ゴール)を山の頂上に見立てて頂上までの道筋を組み立てていくことからスタートする。目標とする課題は子どもたちの意見をもとに設定され、この話し合いの時間にも探求心や主体性をみがく効果が期待される。また、頂上までの道筋を図に示して見える化することで、今何を学んでいるのか、次はどこを目指すのかといった学びの現在地が明確になり、頂上を目指すまでのイメージがつかみやすくなるという。
ラーニング・マウンテン導入の取り組みを中心となって進めた教務主任の先生は、「図にすることで考えが整理しやすくなるとともに視覚的な楽しさも加わり、学びに対する姿勢がより前向きになってきたと感じる」と手応えを話す。
自分を好きになることその大切さを言葉に
同小ではさらに、アウトプットを重視した学びの推進にも力を入れている。ラーニング・マウンテンのゴール地点で行われるふり返りの時間もそのひとつで、「考えをまとめ、発表する経験をくり返すことで、表現力が高まり発言も増えたと感じる」と先生。発信力や表現力の向上は主体的に行動する姿勢にもつながり、3月に開かれた6年生を送る会でもしっかりと発揮されたと言葉を続ける。送る会は5年生(昨年度)が中心となって準備を進め、各学年が合唱や手づくりのプレゼントなどさまざまな表現で卒業生に感謝とエールをおくったもので、あたたかな会は笑顔と感動を生み、一人ひとりの心に豊かな思い出を残した。
「自分大好き みんな大好き 笑顔いっぱい 富士見小」。これは、昨年度児童会が考えたスローガンだ。自分を好きになるためには感謝されたり、だれかの役にたてることに気付いたりすることが大切との思いがこめられた言葉に、「自分のよさを見つければ笑顔があふれてみんなが幸せになれるという、とてもすてきなスローガン」と目を細める校長。行事のたびにスローガンを発信し続けた児童会のがんばりも高く評価し、思いのバトンを今年度もつないでいきたいと話す。