つくばみらい市/福岡小学校

つくばみらい市福岡小

地域のみんなが顔見知り多世代交流が豊かな心を育てる

つくばみらい市立福岡小学校では、毎年秋に「福岡秋まつり」が開催(かいさい)される。地域の人々も参加して開かれるにぎやかな1日の幕開けをかざるのは、3・4年生による福岡太鼓(たいこ)の演奏だ。今年の秋まつりが開かれる10月27日(日)に向けて、子どもたちは保存会の人の指導のもと練習を積んでいる。当日はおそろいの半被(はっぴ)に身を包み、単学級ならではの結束力を生かして息ぴったりの演奏を楽しませてくれるだろう。

おじいちゃんも同窓生 地域に親しまれる学校
 創立147年目をむかえる同小の学区には3世代同居の家庭が多く、家族が代々この学校へ通ってきたことから地域の人々は特別な親しみを感じているという。転入や転出も少ない地域で、全学年が単学級の小規模校のため、子どもたち同士はもとよりその家族も顔見知りというほのぼのしたコミュニティが築かれている。
 「登下校時の見守りや、PTAによる資源物の回収活動とその収益を活用した支援(しえん)など、地域ぐるみで子どもたちを支えてくれていることを日々感じる」と、教頭。「古紙やペットボトルなどかさばる資源物を回収日までとっておくのは少なからず負担になるはずだが、『学校の役に立つなら』と各家庭が自発的に協力してくれることがありがたい」と笑顔で言葉を続ける。

地域の人も参加する秋のお楽しみ行事
 子どもたちが毎年楽しみにしている秋まつりも、学校行事のひとつではあるものの、学校だけでなくPTAや青少年育成会など地域の人々も協力しあって企画(きかく)と運営を担う点に同小らしさが表れている。
 福岡太鼓のステージ発表のあと、子どもたちは縦割り班に分かれて校舎内に用意されたあそび体験のブースをめぐる。昨年の内容は、ペットボトルボーリングや輪投げビンゴ、輪ゴムてっぽう作りなど。毎年、教職員と地域の人々が工夫をこらしてゲームや実験工作を考えており、オリンピックイヤーの今年はボッチャやカーリングの室内あそびや、ストローふき矢、10連たこ作りなどが予定されているという。

地域に見守られ思いやりの心も育つ
 「放課後や休日も校庭で自由に遊ぶことができるのも、地域の方の目があって安心だからこそ。たくさんの人がかかわり、見守ってくれていることに感謝の気持ちを持ち、自分たちも同じように周りの人たちへ手を差しのべることができる大人になってほしい」と教頭。同小の子どもたちは、多世代との交流を通して地域の伝統や文化にふれながら、地域のあたたかな輪のなかでのびのびと成長していく。