つくばみらい市/豊小学校
米づくりを通して多くの人たちに
思いを寄せられる子に
12日(月)、つくばみらい市立豊小学校で4・5年生が稲(いね)かりを体験した。毎年恒例(こうれい)となっている同学年の米作りだが、コロナ禍(か)により3年ぶりに児童自ら収穫(しゅうかく)。今年度から教科等横断的に一つのテーマのもと学習する「STEAM教育」の視点を取り入れた授業の一環(いっかん)として食の大切さを学んでいる。
米作りの大変さを体験して実感
残暑が厳しい中、4・5年生37人が学校横の田んぼで鎌(かま)を使ってかり取りに挑戦(ちょうせん)。「歩きにくい」「くすぐったい」との声が上がりつつもグループ別に交代しながら横一列になって進めていった。慣れない道具や姿勢に苦戦する子どもがいる一方で、リズミカルに稲穂(いなほ)の山を築いている子どももいた。同校の卒業生の孫をもち田植えから精米まで協力している農家の稲葉さんは、鎌の使い方をアドバイスしながら子どもたちの作業を見守っていた。
4年男子児童は「最初は稲が切りにくかったが、最後の方はちゃんと切れた」とふり返り、5年女子児童は「鎌を入れた時にザッと切れて気持ちよかった。一回で切れなかったのが難しかった」とあせをぬぐった。
5年生は、収穫したお米を使った料理の献立(こんだて)を考え調理実習を行う。4年生は自宅に持ち帰り、調理したものをレポートや新聞にまとめて授業で共有する予定だ。
多様な視点から考えるSTEAM教育を実践
同小では、「多様な視点をもって自ら考え、新しい発想で自ら課題を解決することのできる子どもを育てる」ため、科学、技術、芸術などを組み合わせたSTEAM教育を活用したカリキュラムを実践(じっせん)している。今年度は、「私たちが考える幸せなまちづくり」をテーマに自ら課題を見つけ、教科等横断的な学びから各教科の知識や考え方を生かして課題解決に取り組んできた。
5年生の米作りの学習も、社会科の食料生産や家庭科の調理実習など、さまざまな教科の学びをつなぎ、多角的な視点から探求していく。校長は、「ふだん何気なく食べている給食のごはんも、お米を作ってくれる農家の方がいて、調理してくれる給食センターの方がいて、それを運んでくれる方がいて、さまざまな方々がかかわって自分の元まで届けられているということを実感してもらいたい。田んぼが広がっている地域なので、将来食にたずさわる子が出てきたらうれしい」と期待をこめた。