土浦市/乙戸小学校

豊かな学びや思いやりの心を大切に明日もまた来たくなる楽しい学校を

土浦市立乙戸小学校では、四つのプロジェクトを柱として日々の教育活動に取り組んでいる。思いやりの心を育てる「ゆたかさ」、自ら学び、考え、行動する力を育てる「かしこさ」、心身をきたえて命を大切にする「すこやかさ」、地域に誇(ほこ)りをもち、ねばり強くやりぬく力を育てる「キャリア」。これらをテーマとした各プロジェクトに共通する目標は、自らの力でたくましく生きる人間性豊かな児童の育成だ。


ⅠCTを活用して豊かな学びと交流を

プロジェクトの一つ、かしこさプロジェクトには、「『分かった』『できた』を実感し、思いや考えを伝え合うことのできる児童の育成」というテーマが設けられている。具体的には、ⅠCTの活用によって発表や話し合いなどふり返りやアウトプットの場を積極的に設けることで協働的な学びの機会を増やすといった取り組みが行われている。また、他校とのオンライン学習や、過去には海外とのオンライン交流も行われた。
 タブレット端末(たんまつ)やアプリケーションといったⅠCTの活用は授業中だけでなく教職員の研修にも生かされ、「若い世代の教職員が年配の教職員に操作を教える場面も多く、コミュニケーションの深化にも一役かっている」と教頭。教職員間の良好な関係は、学校全体の和やかなふん囲気づくりにもつながっている。

SDGsやいじめ防止 多様な取り組みに注力

 同小では4年ほど前からSDGs(持続可能な開発目標)の視点を取り入れた学習活動にも力を入れており、「この内容はSDGsの何番目につながるものか」を示したシールの活用による日常的な意識づけなどを行っている。
 2年生は生活科の町探検で地域で働く人や暮らす人について調べ、SDGs11番「住み続けられるまちづくりを」につながる学びを深めた。また、4年生が取り組んだ「届けよう、服のチカラプロジェクト」はSDGs12番「つくる責任つかう責任」に関連する。児童らは衣服不足になやむ難民について学んだことを機に地域に不要な衣類の提供を呼びかけ、回収した衣類はファーストリテイリング社を通じて難民キャンプへ届けられた。これらの取り組みは、かかわる力ややりぬく力の育成を目指すキャリアプロジェクトに該当(がいとう)する。
 このほか、おたがいのよいところを伝え合う「ハートフルコーナー」の設置や、いじめは絶対に許さない学校づくりのための話し合い活動など、思いやりのある児童の育成にも注力する同小。四つのプロジェクトが複合的に進められ、明日もまた来たくなる楽しい学校がつくられていく。