牛久市/中根小学校

中学へと旅立つ6年生
「卒業プロジェクト」に取り組む

県内でもっとも児童数が多い牛久市立中根小学校。3月の卒業式では219人の6年生が立派に旅立っていった。コロナ禍(か)の中、制限の多い学校生活の中でも6年生たちは最高学年としての役割を果たし、下級生のめんどうをみたり、下級生たちのお手本となったりして活やく。卒業に向けて、それぞれの係を担当した「卒業プロジェクト」では、だれもが責任をもって取り組んだ。

さまざまな工夫で心温まる卒業式
3月18日(金)、第43回卒業式が行われた。在校生は出席せず、保護者の参列も1人までとし、教室にモニターを設置して会場に入れない保護者は教室から式を見守った。会場には6年生の想いがつまったお別れの言葉や5年生からの心のこもったメッセージ、歌声もひびき、心温まる式となった。
卒業式の内容については、「卒業プロジェクト」の卒業式担当の子どもたちもいっしょに、コロナ禍でもできることを考えた。卒業の歌と校歌は事前に録音することにしたが、一度に全員が集まれないため、半分ずつソプラノとアルトのパートに分かれて録音したものを重ねて一つの音源にした。5年生からのメッセージは、事前に撮影(さつえい)した映像を流した。
6年生全員が、卒業式のほかに合唱、感謝会、6年生を送る会、奉仕活動のいずれかを担った「卒業プロジェクト」。感謝会は開けなかったが、代わりに手紙や手作りのプレゼントを縦割り班の担当の先生にわたしたり、奉仕活動では校内の清掃(せいそう)に取り組んだりした。卒業前には休校や分散登校などもあったが、「少ない時間の中でも、卒業という意識をもって積極的に活動し、がんばった」と6学年主任だった先生。「6年間お世話になった先生や家の人たち、地域の人たちへの感謝の気持ちを忘れずに中学に進んでほしい」と伝えて送り出した。

6年生の後を立派に引きつぐ5年生
この時期、5年生は「次は自分たち」という自覚を高めていった。3月の初めには新しい登校班になり、班長や副班長を6年生から受けついだ。オンラインで行った6年生を送る会では中心となって活動し、下級生たちの想いを伝えることができた。卒業式の会場準備も一生けん命行い、卒業式には映像で参加するという意識をもって、6年生への感謝の気持ちを呼びかけで表現し、撮影した。「6年生の姿をしっかり見てきたので、最高学年としてがんばる姿を楽しみにしている」と5学年主任だった先生は期待をこめた。

大規模校の強みを生かした活動を
昨年度、全校児童が一堂に会したのは、校庭で行った2回のひなん訓練と、もう1回が3月。6年生への感謝の気持ちと旅立ちをみんなで祝いたいと、1~5年生が校庭に長い花道を作り、はく手で6年生を見送った。 全校で集まることはできなくても、6年生が1年生に読み聞かせをしたり、5年生が1年生とサツマイモの収かくを行うなど、高学年として下級生とのかかわりを大切にしてきた。
「多人数のため制約も多いが、多くの人と交流できるという強みをある。そんな強みを生かしつつ、今年の6年生も最高学年としての意識をしっかり持てるような活動をしていきたい」と副校長は話した。