つくば市/秀峰筑波義務教育学校

地域に対する理解を深め郷土を愛する心を育成

 つくば市立秀峰筑波義務教育学校がある筑波山周辺地域は、日本百名山の一つである筑波山をはじめとする自然のめぐみが豊かで、古代からさまざまな人の営みがあり、たくさんの歴史や文化が積み重ねられてきた。同校の子どもたちも、これらの貴重な地形・地質や、それと関連した自然・文化・産業などに目を向け、守り伝えようとしている。

ジオミュージアムで地域の魅力を探究

 秀峰筑波義務教育学校では各学年が、生活科やつくばスタイル科などの授業を通じて、地域のさまざまな魅力(みりょく)を発見するとともに、それを自分たちのやり方で発信し、地域の活性化につなげ、次世代に受けつごうとしている。秀峰筑波かるた大会の開催(かいさい)や、北条米の田植えやいねかり、地域の行事である筑波山神社御座替祭や祇園祭などへの児童の参加もその一つだ。

 4・5年生は地域学習の一環(いっかん)として、「つくばジオミュージアム」で筑波山地域ジオパークについて学んでいる。この施設(しせつ)は、筑波山地域の地質や自然について、ミニゲームや実験、映像展示、体験学習や専門員との対話などを通して遊びながら探究できる。

筑波山地域の特産福来ミカンを再発見

 筑波山地域は、福来(ふくれ)ミカンの産地でもある。秀峰筑波義務教育学校では毎年、2年生が校外学習で福来ミカンの収穫(しゅうかく)に行く。つみ取ったミカンは学校へ持ち帰り、むいた皮を干して、給食の食材に使ってもらったりしている。

 給食センターでは福来ラーメンなど、福来ミカンを使ったさまざまなメニューを開発している。最近は福来ミカンを知らない人が増えているので、発信することで多くの人に広めたい考えだ。特に子どもたちには、福来ミカンが自分たちの住む地域の特産品であることと、その価値や魅力をぜひ知ってもらいたいという。

年間を通して実施高校生との学習交流

 秀峰筑波義務教育学校には毎週金曜日、筑波高校から生徒が来て、1〜6年生の5・6時間目の授業支援(しえん)に入っている。これは地域とともにある学校づくりを目標とする体験的地域学「つくばね学」の一環。さまざまな教科で児童といっしょに考え、問題解決のお手伝いなどをしてくれる。体育の授業では運動会のダンスの練習に、高校生が入っていっしょにおどったりもする。

 同校では、保護者や地域の人たちも学習サポーターとして協力しているが、高校生は児童にとって地域の身近なお兄さんお姉さんという存在で、特に親しみやすい。高校生の訪問を子どもたちも楽しみにしていて、「これをいっしょにしよう」「ここを教えて」などと自発的に近付き、教えてもらったお礼に、折り紙などのプレゼントもしている。