水戸市/下大野小学校

小学生新聞

「下大野小のよい子」が育つ ICT活用の小規模特認校

 市内に4校ある小規模特認校では、特色ある教育活動や、少人数によるきめ細かな指導を行っている。水戸市立下大野小学校もその一つで、ICT(情報通信技術)を活用した教育を特色に、市内のICT教育をリードしている。さらに地元に伝わるお囃子(はやし)や農業体験を通して、伝統文化や自然とのふれあいも大切にしている。

のびのび育つ「下大野小のよい子」

 同小では「下大野小のよい子」を育てるために、一人ひとりの子どもに「目をかける・心をかける・語りかける」教師でありたい、一人ひとりの子どもが「笑顔で登校・笑顔で学び・笑顔で帰る」学校でありたいという目標のもとに教育に取り組んでいる。その目標に応えるように、子どもたちはのびのびと明るく育っている。

四つの柱で特色ある学校づくり

 同小では、ICT機器を活用した教育、伝統文化を継承(けいしょう)する活動、農業体験、異学年交流を教育の4本柱にしている。ICT機器を活用した教育については、ICT教育の特認校であることから、全学年・全教科でパソコンやタブレットを1人1台活用し、子どもたちにとってICT機器は文ぼう具の一つとなっている。

 伝統文化を継承する活動では、地元に伝わる「みろく囃子」を、高学年が毎週1時間、授業で練習している。「みろく囃子」は、大太鼓(たいこ)・小太鼓・鉦(かね)・笛・歌に合わせて3体のみろく人形が五穀豊穣(ごこくほうじょう)をいのりおどるもので、下大野の子どもたちが三百年もの伝統を受けついでいる。「風土記の丘ふるさと祭り」や「下大野サ皆コー祭り」、敬老会や運動会などで披露(ひろう)している。地域の「大野みろく囃子保存会」のメンバーが先生となり、子どもたちに教えてくれる。

秋の楽しみは米やサツマイモの収穫

 農業体験では学校の近くに水田を借りて米作りをしたり、大豆やサツマイモの栽培(さいばい)をしたりしている。地元のJA職員の指導で土作りや種まきから取り組み、秋には楽しみにしていた収穫(しゅうかく)の季節となる。収穫した米や野菜は、各家庭に持ち帰って味わう。

 異学年交流は1年生から6年生の縦割り班で掃除(そうじ)をしたり遊んだりしていたが、現在は感染予防のために中止となっている。「子どもたちはみんな学校が大好きで、コロナ禍(か)でも精いっぱい学校生活を楽しんでいるので、地域といっしょにサポートしていきたい」と教頭。最先端と伝統と自然、そして地域との交流が子どもたちの成長の糧(かて)になっている。