龍ケ崎市/川原代小学校
人づくりの視点を取り入れ学習活動で生きる力を育む
龍ケ崎市立川原代小学校は1889年(明治22年)6月20日に創立し、今年で134年目をむかえた歴史のある学校だ。創立記念集会では毎年、同小の誕生日を全員でお祝いする。今年は6年生が劇やクイズで学校の歴史を紹介(しょうかい)し、下級生に理解を深めてもらい、自分たちの学校をさらに良くしようとする意識も高めることができた。
かつての学校の姿を昔の写真で見せる
この集会は毎年6年生が企画(きかく)運営しており、アイデア出しから脚本(きゃくほん)、演出、小道具作りまで、全部が子どもたちの手作り。劇の練習のときは動画をとって見返しながら「もっと声や動きを大きくしよう」と話し合うなど、全員が団結して一つのものを作り上げていた。
劇は、現在の子どもたちが昔の川原代小にタイムスリップして、当時の子どもたちに会ってきたという内容で、今と昔の校舎の造りや教室配置のちがいなどを、写真やスライドで説明した。昔の写真はお父さんやおじいさんのアルバムから借りてきたそうだ。
「写真で見せることで、歴史を分かりやすく伝えられた。子どもたちには『昔はこんな感じだったんだ』というおどろきがあり、『お父さんやおじいさんが通った学校に私も来ているんだ』という、うれしいようなほこらしいような様子も見られた」と6年担任の先生。
地域の人とふれあいできることを考える
同小では、市が進める「龍の子人づくり学習」との関連で、学習活動に人づくりの視点を取り入れ、人間形成に役立つさまざまな力を育てている。
1・2年生はまち探検や通学路探検で、交通ルールや社会のマナーについて学んだ。「校外活動のときは、自分たちでもルールを決めている。例えば勝手な行動をしない、地域の人の話をよく聞くなど。そうしたルールもきちんと守って行動できた」と、教務主任の先生。
4年生は社会科の学習で、市内のごみ処理施設(しせつ)を訪ねた。見学後は、学校や家庭でごみを減らすため、自分たちにどんなことができるかを考えた。
5・6年生は毎年、地域団体と協力して、幹線道路沿いに色とりどりのチューリップの球根を植えている。この活動からは地域貢献(こうけん)を実感し、郷土を愛する心を育むことができた。
「本校は地域とのかかわりが非常に強い、地域に支えられている学校」と校長。その好例が、地域の人々の指導で伝統文化などを体験する「川っ子ふれあいまつり」だ。コロナ禍(か)により中止が続いてきたが、今年は11月3日(木)に3年ぶりの開催(かいさい)が予定されている。