つくば市/桜並木学園
保護者や外部講師の力を借りてより深みと広がりのある学習を
つくば市立桜並木学園では、学園研修テーマである「自ら考え対話し、学び合う児童生徒の育成」を目指して各校が取り組んでいる。その一例として並木小では「地域社会に働きかける探究的な学習の充実(じゅうじつ)」に力を入れている。
同じ目線で取り組む学校教育パートナー
並木小では、学校の教育目標を共有し、学校づくりに参画してくれる人を地域から募(つの)り、「学校教育パートナー」として活動してもらっている。
学校教育パートナーの役割の一つ「学習アシスタント」は、書写や家庭科実習などの補助、あるいは校外活動の引率など、クラス全体に指導を行きわたらせるのが難しい授業の支援(しえん)を行う。「いろんな方の目や手が入ることで、児童一人ひとりに手厚い指導ができる。パートナーの児童への接し方は親子のようで、温かいふん囲気で授業が進められる」と教頭。
パートナーの支援により、担任が授業内容の充実に力を注げることも利点の一つ。教職員研修にあてられる時間も増え、内容は板書、水泳、ICT、救急救命講習など多くの教科や領域にわたっている。
地域社会の問題に当事者意識を持って
つくばスタイル科の授業では、例えばフードロスやプラごみ問題など、地域や社会の問題に対し、子どもたち自身が当事者意識を持って探究的学習に取り組んでいる。
学校教育パートナーはここでも力を発揮している。授業の中で子どもたちが立てた課題に対し、適切な話をしてくれる専門家をさがし出し、紹介(しょうかい)してくれる。近くの人なら学校へ来てもらい、遠くの人ならオンラインで話を聞くこともある。
子どもたちは本やインターネットで調べた情報に加え、専門家から聞いた話も活用し、はば広い知識のもとに論理を組み立て、どうしたら課題を解決できるか考える。必ず自分なりの考えを持ち、発表することがゴールだ。
さまざまな方法で学びの種を植える
外部講師を招いての探究的学習も、同小の特色の一つ。教科書に出てきた内容をより深くほり下げ、学習に広がりと深まりを生み出すとともに、児童の興味を引き出し、学びの意欲を高めている。
例えばリコーダーでは、プロの音楽家に来てもらい演奏してもらった。「本物にふれることで子どもたちの目の色が変わり、やる気にも火がつく。また、プロの指導の仕方は教職員や保護者にとっても良い学びの機会になる」と教頭。
また同小では、学校と家庭での学びをつなぐ「シームレス学習」も試験的に導入している。基本の部分は家庭で動画を見て学び、その理解度に応じて学校では友達といっしょに発展問題を解いたり、動画では分からなかった部分を教え合ったりする。このように一人ひとりに合ったペースと学習内容で、より個別的で協働的な学びを展開している。