つくば市/桜学園

小学生新聞

学園と地域がはば広く連携
一体となって防災に取り組む

 つくば市立桜学園では「夢をもち、自立して社会に貢献(こうけん)できる児童生徒の育成」を教育目標に、9年間の連続した学びに向けて学園全体で日々研究を進め、児童生徒の育成に努めている。

数多くの災害を想定
避難の仕方も多様に

 「防災は命にかかわる大切なもの。災害はいつ起こるか分からず、その危険性を日ごろから意識していないと子どもたちを守れない」と、九重小の教頭。そこで防災には特に重点を置き、年間計画に基づいてさまざまな訓練を実施(じっし)している。
 その一つが、学園全校で一斉(いっせい)に行った「桜学園合同防災訓練」だ。地震(じしん)の際に自分の命や身の安全を守るため、どのように行動したらよいかを学び、続いて、児童が保護者や兄姉とスムーズに合流するための引きわたし訓練もした。
 シェイクアウト訓練(一斉防災訓練)では、地震の発生を知らせるアナウンスが流れると、子どもたちは素早く机の下に身をかくすことができた。 火災を想定した避難(ひなん)訓練では、事前の学級指導で確認した「おかしも(おさない・かけない・しゃべらない・もどらない)」の約束を守りながら、校庭まで避難した。
 竜巻(たつまき)対応の避難訓練は、昼休みに竜巻注意情報が発令されたという想定で行われ、外で遊んでいた子どもたちは急いで校舎内にもどり、教室のかべ際に頭を向けて身を低くして避難した。このほか、津波(つなみ)や武力攻撃(こうげき)などの緊急(きんきゅう)事態を知らせるJアラート(全国瞬時=しゅんじ=警報システム)に向けた避難訓練や、不審(ふしん)者に対する避難訓練なども実施している。
地域の人々と共に
安全なまちづくり

 緊急時に備えた救急救命講習会では、学園の全職員が桜中体育館に集まり、栗原小PTA会長で日本赤十字社救急法指導員の男性と、九重小PTA会長でつくば市消防団桜支団指導員の男性から、AED(自動体外式除細動器)の使い方や、けがをした時の止血方法を学んだ。
 また、全職員と地域防災関係者らによる「桜学園学校防災連絡(れんらく)会議」をオンラインで開いた。「避難行動と避難生活を考える」というテーマで地域在住の長坂さん(立教大学教授)の講話を聞き、防災における地域コミュニティーの重要性などを学んだ。
 九重小の小林校長は「防災を地域ぐるみで考えることの必要性をひしひしと感じた。学校と消防、防犯パトロール隊など多くの方々の連携(れんけい)により、地域の安心安全を守り育てていきたい」と話す一方、再来年から本格導入を予定するコミュニティ・スクール制度に向けても「防災以外の面でも同様に、地域のはば広い人材をむかえ入れ、子どもたちの育成に還元(かんげん)していきたい」と構想した。