つくば市/高崎学園

高崎

子どもたちが自ら考え、声を発し実現にこぎつけた、あいさつ運動

長かったコロナ禍(か)もようやく終息に向かい、以前の日常が少しずつ取りもどされつつある。つくば市立高崎学園では、マスクを付けながらだが、朝のあいさつ運動が復活した。昨年11月には小中合同で、今年2・3月には茎崎第一小企画(きかく)委員会の活動として行われている。

良いあいさつの人をお昼の放送で発表

 あいさつ運動のある水曜日、企画委員会の児童は昇降(しょうこう)口の近くに並び、「笑顔」「相手の目を見て」「元気よく」などと書いたプラカードを持ちながら、登校してくる児童へ声を合わせて「おはようございます」と呼びかけた。以前は、呼びかけられても返事を返せない人や、声が小さい人が多かったが、回を重ねるにつれて、快くあいさつしてくれる人が増えてきた。

 活動の後で委員は集まり、だれのあいさつが良かったかを確認、その人の名前をお昼の放送で読み上げる。「時間の関係で10人だけにしましたが、素敵なあいさつをできた人はもっといっぱいいました」と付け加え、さらに「あいさつ運動は来週もやるので、ぜひ大声でお願いします。元気な茎崎第一小をつくりましょう」と呼びかけた。

三つの「あい」を運動の精神として

 このあいさつ運動は、企画委員会の児童が自分たちで発案、計画から練り上げ、校長へのプレゼンテーション(プレゼン)を経て実現させた。プレゼン用の資料はパワーポイントを使って作成、文章はワードで書いてチームスで共有し、だれがどの部分を読むかを、文字の色によって見分けられるようにした。

 良いあいさつができた人を放送で発表することにしたのは、5年前にも同じことが行われていたのを、当時1年生だった今の6年生が覚えていたため。国語の授業で、相手を説得するには事例を示すのが効果的だと習ったのを応用した。

 校長が日ごろから唱えている三つの「あい」―夢や可能性と出会う「会い」、相手を認めて協力する「合い」、ものや人を大切にする「愛」―も、あいさつを大事にすることに通じると考え、活動の精神として組みこんだ。

プレゼンを通してさらに良い企画に

 校長室でのプレゼンでは、「こういう機会は初めてなので、OKをもらえるかどうかすごく緊張(きんちょう)した。授業中のプレゼンでは友達相手に自分が思ったことを発表するけれど、今回は学校を良くするための企画提案なので、普段(ふだん)とはちがうところがいっぱいあった」と、委員の一人の感想。

 第2回のプレゼンでは、第1回で校長から出た疑問に答える形で、細部をさらに作りこんだ。例えば、どんなあいさつが良いあいさつなのか話し合い、プラカードに書くとともに、良い例や悪い例も動画を作って紹介(しょうかい)した。

 校長は「子どもたちが学校のことを考えて主体的に行動し、企画立案からプレゼンでの表現まで、試行錯誤(さくご)を重ねながら全部自分たちで作り上げた。子どもの可能性を改めて感じることができた。今後も子どもたちの成長を、温かく見守りながらうながしていきたい」と語っている。