守谷市/守谷市教育委員会

新しい学びにつなげる生成AI   使い方のコツを学ぶ講習会

8月2日(金)、市内の小中学校の情報教育推進委員の先生を対象に、生成AIについて学ぶ講演会が行われた。テーマは「教師のためのこどもの学び×AI入門」。教育・ICTコンサルタントの福原氏を講師にむかえ、生成AIとは何か、生成AIがもたらす社会の変化、教育現場に導入していく際の注意点などについての講話に、参加した先生たちは真剣に聴(き)き入った。

生成AIについて理解
使い方のコツも

 昨年7月に文部科学省が「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を公表し、全国で52校がパイロット校として、教育活動や校務において生成AIの活用に取り組んでいる。そこで守谷市でも生成AIについて理解を深め、学校での活用を広めていこうと今回の講演会を企画(きかく)した。
 講演ではまず生成AIとは何か、というところからスタート。生成AIは膨大(ぼうだい)な情報から確率によってコンテンツを作成しており、真の意味での知性はないことなどを理解した。テキスト生成AIとして知られているチャットGPTについて、初めての「対話」できるAIであり、クリエイティブな作業も可能にしたことで仕事の効率が大幅にアップするとし、上手に使うための指示の出し方なども解説した。

教育の場での課題や導入方法について学ぶ

 有能な生成AIだが教育の場で使用するには課題もある。生成AIが文章を書いたり作品を作ったりしてしまうことによる「学習機会の喪失」、生徒から出された課題が生成AIによるものか見極めが難しいことによる「評価の正確性や公正性の低下」、情報の真偽(しんぎ)を確かめる「ファクトチェックが必要」の3点だ。生成AIを導入すると、これまでの教育が崩壊(ほうかい)すると心配する声も多いが、「学校がどう対応するべきか検討するために、まずは先生が校務などで使ってみてほしい」と福原氏。
 さらに生成AIは「頭脳を補足するための道具」であり、使いこなせないと勉強や仕事で「AI格差」が生まれてしまうこと、AI格差に陥(おちい)らないためにAI教育は必須であることなどを強調。実際の教育現場での導入事例なども示しながら、「将来は生成AIを文房具のように日常的に使っていくことになるだろう」と結んだ。

身につけたいAIを使いこなす力

 講演会を終え、授業で生成AIを使用したことがあるという黒内小の教諭は「情報化社会を生きるこれからの子どもたちはAIと向き合っていかなければならない。メリットやデメリットをきちんと理解したうえで、AIを使いこなす力をつけてほしい」と話した。また同市教育研究会情報教育研究部長である大井沢小の教頭は「AIを活用することの重要性がよくわかった。まずは校務で使用して先生たちの働き方改革につなげ、授業にも活用できるようにレベルアップしていきたい」と話し、生成AIを知る有意義な機会となった。