土浦市/土浦市教育委員会

保幼小のつながりを深めて学びと育ちの接続をスムーズに

幼児教育と小学校教育の円滑(えんかつ)な接続へ向けた取り組みに力を入れる土浦市教育委員会は8月6日(火)、保幼小接続合同研修会を開いた。市内の小学校教員と、幼稚園・保育園など幼児教育施設(しせつ)の職員ら約50人が参加し、茨城女子短期大学で副学長を務める助川教授の講話を聞いた。研修会の後半にはグループ協議と保幼小間の情報交換(こうかん)の場が設けられ、就学児の様子や保幼小接続の課題などについて活発に意見を交わした。



保幼小接続のために職員のつながり強化を

 講演は「幼児教育と小学校教育の円滑な接続へ向けて~学びと育ちをどのようにつないでいくか~」の演題で行われた。小中学校教員の研修支援(しえん)や就学前教育の推進など、子どもの教育に関する分野を専門とする助川教授はまず、保幼小接続の現状と課題についてくわしく解説した。
 「幼児教育では遊びなど体験を通じた活動を大切にしているが、小学校教育では到達(とうたつ)目標が大切になる」「子どもを送り出す保育者のほうが就学児を気にかけ続ける意識が高い傾向(けいこう)がある」など、保育者と小学校教員の間でおたがいの理解や情報共有が十分でないことを課題に挙げ、交流と連携(れんけい)の重要性を説いた。
 続いて、保幼小接続の具体的な取り組み事例や就学前後の「かけ橋期」におけるプログラムの工夫点などの紹介(しょうかい)を行い、「より良いつながりを持てるよう交流を深めてほしい」と講演をしめくくった。

おたがいの声を聞き連携を深める交流会

 講演の後は6班にわかれてのグループ協議が行われ、幼児教育施設の保育者や管理職員、小学校低学年の担任や保幼小接続コーディネーターらが意見を交わしながら交流を深めた。
 参加した土浦小の教諭は「子どもたちが入学時にとまどいを感じていることを実感した。園との交流を深めてとまどいをなくし、安心して学校生活を送れるようサポートしたい」と話し、右籾小の教諭は「幼稚園や保育園での成長があるから1年生はゼロからのスタートではないと感じられた。もっと子どもたち本人に任せて、声を聞きながら主体性を大切にしていきたい」と話した。
 昨年の研修会にも参加した真鍋小の教諭は、研修会を通じて幼児教育施設との連携が取りやすくなったとふり返り、「意見や情報を交換できるこういう機会はとてもありがたい」と笑顔を見せた。同小では昨年、ランドセルを背負ってみたい、学校の教室のいすに座ってみたいという園児の声に応えて交流会を行っており、連携の成果が早速表れている。