水戸市/国田義務教育学校

子どもたちが主役の学校「さわやか国田学園」

水戸市立国田義務教育学校は、市内唯一(ゆいいつ)の義務教育学校で通称は「さわやか国田学園」。前期課程(小学校)と後期課程(中学校)の9年間を通して、小中一貫(いっかん)教育を行うことが特色の小規模特認校だ。自然豊かな環境(かんきょう)の中、のびのびと学び学年をこえた交流が育っている。


先生の専門性を生かし9年間指導

 同校では、1年生から9年生までが同じ校舎で生活している。授業は教科担任制で、1年生から4年生の国語は担任が教えるが、それ以外は専門の教科の先生が教えている。学校での活動は、前期課程と後期課程で分けるのではなく、1年生から4年生、5年生から8年生が同じグループになるので、小学校から中学校に進級し環境(かんきょう)や生活が変わることで生じる中1ギャップが少ないことが大きな特長だ。中学生になっても、同じ校舎で同じ先生に教われることも、子どもたちに安心感をあたえている。学区外から通学する子どもたちも多く、約4割となっている。

市内で唯一校舎内に幼稚園がある学校

 校舎内には、水戸市立国田幼稚園がある。同じ建物に幼稚園・小学校・中学校があるのは市内では同校のみで、6月の運動会と、10月の文化祭「翔螢祭(しょうけいさい)」は幼・小・中合同で開催(かいさい)している。運動会には地域の人も応援(おうえん)に訪れ、紅白に分かれて行われる大玉送りや紅白リレー・応援合戦など幼・小・中が一体となって熱戦をくり広げた。
 7月の七夕会は、幼稚園生が小学生といっしょに七夕かざりを作って祭りを楽しんだ。「上級生は下級生や幼稚園生の世話をして、下級生は上級生とのかかわりの中で育つので思いやりの心が自然と生まれてくる。また、少人数でも先生の人数は多いので、ていねいに子どもたちの指導ができ、たくさんの目で子どもたちを見ることができる」と教頭は話していた。

地域の人や自然からたくさんの学び

 地域住民も学校に協力的で、学校との連携(れんけい)を大事にしてくれている。国田太鼓(たいこ)や棒術など地域に伝わる伝統芸能を指導してくれたり、サツマイモの苗(なえ)植えやイモほり、稲(いね)かりの手伝いもしてくれる。子どもたちも地域の敬老の日の集いに参加したり、ゴミ拾いなどの浄化(じょうか)活動に参加したりしている。豊かな自然環境も学びの場で、学校近くの七ツ洞公園では、生物研究部がビオトープの環境を整え、ホタルの飼育をしたり、低学年は虫を探したり自然とふれあいながら学んでいる。