つくば市/高崎学園
給食の時間を楽しく学びに3年目の「もぐもぐタイム」
高崎学園では食育に力を入れている。特に年間190日ある給食の時間は、食事の重要性をくり返し伝えられる貴重な機会だ。この時間を少しでも楽しく学びになるものにしようと、茎崎第一小でコロナ渦(か)中の3年前に栄養教諭(きょうゆ)の先生が始めたのが「もぐもぐタイム」だ。
電子黒板から流れる今日の給食の楽しい話
今ももぐもぐタイムは金曜日を除く毎日、職員室から各教室の電子黒板へ配信中。その日の献立(こんだて)に入っている食材を話題に、どのような栄養素があって体に良いかなどを伝えている。また、市内の畑を訪ね、生産者の人から生産の苦労や楽しさ、作物への愛情や思い入れなどを聞いている。動画の撮影(さつえい)と編集をするのも先生だ。
5・6年生が県の「つくろう料理コンテスト」のために考えたメニューも給食に採用された。「茨城がつまった和食で朝から元気!」では、みそバター味のみそ汁でひと工夫。コクが出て具材のカボチャやキャベツとも合う。「朝から元気もりもりメニュー」は、ニラや白菜など県産野菜がたっぷりで、ジャガイモや油あげも入ったみそ汁で体が温まる。「洋風朝ごはん」は、キャベツとタマネギのあまみが出ているコンソメスープで、たくさんの野菜をとることができる。もぐもぐタイムには本人も出演し、料理にこめた思いなどを話している。
本物にふれる体験や五感で感じる学習も
2年生は昨年度、つくば観光コンベンション協会の協力で、筑波山特産の福来(ふくれ)みかんを使い、トウガラシやゴマ、青のりなどを混ぜて七味作りをした。今年度は実物を使い、皮をむいて香りをかいだり実を味わったりする予定だ。「いつも食べているミカンとは大きさもにおいもちがう。子どもたちに五感で感じてほしい」と先生。
5年生は、かつお節の製造販売(はんばい)会社「にんべん」の協力で、自分でかつお節をけずって一番だしを味わった。ふだん口にしているパックのけずり節とは違う、けずりたてのかつお節を口にして「ん〜」と目を丸くして感動。「おいしい」「全然ちがう」などの声も上がった。
家庭との連携で朝ごはん100%へ
食育は学校教育活動全体で取り組むことが大事。他教科等とも関連させ、どの学年のどの場面で何ができるかを考えながら指導している。例えばかつお節は、家庭科のみそ汁、社会科の水産業などいろいろな関連がある。
健康的な生活を目指すには家庭の協力も不可欠。電子版の「食育通信」を全保護者へ毎月配信するほか、家庭教育学級で話す機会を設け、減塩や朝ごはんの重要性を伝え、希望者には個別的な相談指導も行っている。