龍ケ崎市/龍ケ崎市教育委員会

単元・授業をデザインする力を養う授業づくりの「視える化」研修
「『夢』をもち『生きる力』を自ら育む龍の子」をキャッチフレーズに、「9年間を見通した創意ある学校づくり」に取り組む龍ケ崎市。子どもたちの学力向上のためには、教師の授業力向上が欠かせないと、夏休み中に指導課の指導主事が市内15の全小中学校を訪問し、「単元・授業をデザインする力~授業づくりの『視える化』研修~」が行われた。授業計画の立て方や指導案の作成方法など、実践(じっせん)的な内容の研修に多くの教員が取り組んだ。
「わかった、できた、楽しい」授業をするために
8月5日(火)、長山小で行われた研修会には校長をはじめとする全教員が参加し、グループワークを交えながら、和やかなふん囲気の中で行われた。講師を務めたのは指導主事。講義では、昨年度の学校訪問から見えてきた課題や改善点について説明があり、「子どもたちが『わかった、できた、楽しい』と思える授業を目指しましょう」と呼びかけた。
授業計画の立て方として、本時の目指す姿を具体的に設定し、それを達成するために必要な活動は何か、省ける活動は何かを考えながら授業を逆向きに設計していくことなど、具体的な方法を解説。子どもの視点で授業を改善することが必要であると述べた。
また市全体で学力向上のために取り組んでいる「書く力」について言及。書く学習には、読む、聞く、調べる、自分の言葉で整理するなど、あらゆる力が集約される。そこで自分の考えを整理して文章化したり、相手に伝わるように文章化したりする力をつけ、記述式問題を解く力を向上させるため、各教科で「書く力」を高める工夫をするよううながした。
指導案づくりを通して授業づくりを学ぶ
研修の後半は演習「指導案の『ここが変!』を見つけよう」。社会や算数、道徳など、いくつかの指導案を例に、どこが問題か、何を改善すべきかを考える演習で、各自で考えた後、グループで話し合い、全体で共有した。
教員からは「子どものつまずきに対する手立てが具体的でない」「何のためにグループ活動をするのかがわからない」「価値のおしつけになっているのでは」など、さまざまな意見が出され、多様な視点から授業づくりについて理解を深めることができた。最後に指導主事は「批判的に見ることで、見えないものが見えてくる。指導案づくりを通して授業づくりを学び、単元・授業をデザインすることを意識して毎時間取り組んでほしい」と述べ、「子どもたちの笑顔と学力向上のために、良い授業をしましょう」と結んだ。
参加した教員からは「指導案を批判的に見ると気付けることがあり、今までなかった視点をもつことができてよかった。今後の授業づくりに生かしていきたい」、「グループ活動で自分の考えを聴(き)いてもらったり、ほかの人の意見を聴いたりして、いっしょに学べる安心感があった。子どもたちの気持ちがわかった」などの感想がきかれ、授業づくりのヒントになる有意義な研修となった。