龍ケ崎市/馴柴小学校
保護者と連携し児童の安全確保
引きわたし訓練で大地震に備える
龍ケ崎市立馴柴小学校で5月20日(金)、災害(さいがい)に備える引きわたし訓練が行われた。2011(平成23)年の東日本大震災の後に始まり、過去2年間はコロナ禍(か)で中止されていた。「再び地震(じしん)の活動期に入り、いつ災害が起きるかもしれない。コロナがやや収まったこの機会をのがさずに行おうと考えた」と、教頭は話す。
東日本大震災を意識
帰宅困難への想定も
訓練は、県南部を震源とするマグニチュード7・6の地震を想定。子どもたちは机の下に身をかくし、ゆれが収まったらろう下へ出て整列、速やかにグラウンドへ出てきた。同小の校舎は4階建てだが非常階段が多く、どこからでも避難(ひなん)しやすい。全校児童がそろって人数確認をした後、学年ごとに分かれて待機し、むかえに来た保護者へ次々と引きわたしをしていった。
むかえに時間がかかる児童は学童保育ルームでいったん預かり、到着(とうちゃく)次第引きわたし、また数人の児童は職員が自宅まで送り届けた。「常磐線沿線には東京都内へ通勤している人が多く、東日本大震災では保護者にも大勢の帰宅困難者が出たため、児童を学校で保護し、夜になってやっと引きわたしができた家庭もあった」と名越教頭は当時のことをふり返る。
授業で意識付けして家庭にも防災バッグ
訓練について6年1組の女子児童は「階段が人で混み合ったが、素早く移動できた」と感想を話した。家でも防災バッグを用意し、いざという時はすぐ持って出られるようにしている。これは4年生のとき社会科の授業で学んだ成果だそうだ。「リュックに非常食やランタンなどのほか、服も季節に合わせて入れかえている。自分の持ち物は自分で管理したい」と答えた。
女子児童の母は「学校へ足を運んでおくのは良いことだと思う。コロナ禍になってからは久しく機会がなかった。子どもたちだけだと何かあったときに連絡(れんらく)手段がないが、訓練で実際の動き方が分かっていれば思い出して行動しやすく、具体的にどこへむかえに行けばいいのかなど心構えができる」と話している。
火災や水害の際も万全の備えで対応
この訓練は城西中学校区の3校合同で行われている。小中両校に子どものいる家庭では、前回までは中学生が小学校へ合流する形だったが、より安全でスムーズな引きわたしができるよう、子どもは各学校に待機し、保護者が最適な順路で両校を回るやり方に変わった。同学校区では今後、「龍ケ崎市震度5強以上」の地震報道がされた場合、特に通知がなくても同様の対応をとることにしている。
今年4月には火災を想定した避難訓練も校内で行われた。また昨年10月には集中豪雨(ごうう)で下校が危ぶまれる状態になり、学校から緊急(きんきゅう)メールを配信して引きわたし対応をとった。牛久沼(ぬま)と小貝川に囲まれた同小では水害の発生に対しても、防災マップやタイムライン(防災行動計画)を作り、万全の備えをしているそうだ。