取手市/寺原小学校

児童自らが気づき、実践できるよう 歯と口の健康づくりに取り組む

日本学校歯科医会による「生きる力を育む歯・口の健康づくり推進事業」推進校として、「自らの歯と口の健康に気付き、考え、実践(じっせん)できる児童の育成」を目標に、歯と口の健康づくりに取り組んでいる取手市立寺原小学校。家庭と連携(れんけい)した取り組みや日ごろの児童の活動が評価され、今年度、「茨城県よい歯の学校・茨城県教育委員会教育長賞」に表彰(ひょうしょう)された。

家庭と連携して健康意識を高める

 寺原小では、子どもたちが歯と口の健康について正しい知識を身に付けること、主体的に生活を見直して望ましい生活習慣を身に付けようとすること、自分の健康課題に気付き、進んで解決しようとすることを目指し、さまざまな視点から取り組んだ。

 まず行ったのが家庭との連携。保護者にも関心をもってもらうため、「いいハ~ウィークカード」を作成し、毎月第1週を「いいハ~ウィーク」として、家庭での歯みがきチェックや、口の周りの筋肉を動かして鼻呼吸をうながすための「あいうえべ体操」を行ったかどうかを記入してもらった。

 また長期休みには、家庭で染めだし液を使ってみがき残しをチェック。夏休みには、かみ応えのある食材を使った献立(こんだて)を親子で考え、かむことへの意識づけをしてもらおうと「かみかみメニュー」も募集(ぼしゅう)した。優秀賞に選ばれた「ぶたにくとたくあんのポリポリいため」「具だくさんれんこんサラダ」は給食の献立になった。

歯と口の健康のために委員会活動で呼びかけ

 子どもたちもそれぞれの委員会でできることに取り組んだ。保健委員会は毎月18日の「いい歯の日」に歯ブラシが開いていないかどうかをチェックしたり、オンラインで「いいハ~集会」を行ったりした。また給食委員会は給食時の放送で「一口20回かんで食べよう」と呼びかけ、20回カウントする「かみかみタイム」を実施(じっし)。運営委員会は4年生以上を対象に、歯と口の健康に関する川柳(せんりゅう)や標語を募集し、「ていねいに歯のうら側もわすれずに」「じぶんの歯一生つかうたからもの」など、入賞作品は放送で紹介(しょうかい)して校内にけい示している。ほかにも図書委員会は歯の本を紹介したり、オンラインで歯の本の読み聞かせを行ったりした。

自分で健康を意識して考えられる子に

 授業では3年生が「見直そう自分のおやつ」というテーマで、栄養士や栄養教諭(きょうゆ)からおやつの役割や体によいおやつの選び方、食べた後の歯の手入れについて学んだ。子どもたちは「あまさの少ないおやつも食べようと思った」「むぎ茶をおやつといっしょに飲んで、食べかすを流すようにしたい」などの感想が聞かれ、おやつのとり方に変化がみられたという。

 また5年生は「けがの防止」について学んだ。校内で歯と口のけがが起こりそうな場面を予測し、危険を回避(かいひ)する方法を環境(かんきょう)と人の行動(体の調子や心の状態)から考えた。

 さまざまな活動を通し子どもたち自らが歯の健康を意識するようになり、保護者の意識も高まった。今後も、得た知識を実践に結びつけるため、歯みがき習慣の定着や定期的な歯科受診(じゅしん)を呼びかけるなど、継続(けいぞく)して取り組んでいくつもりだ。