龍ケ崎市/城ノ内小学校

小学生新聞

「やしろキャリアプラン」で将来のため身に付ける四つの力

 龍ケ崎市立城ノ内小学校では、同じ学校区の城ノ内中学校、八原小学校との間で小中一貫(いっかん)教育を進めている。特に重点を置いているのが「やしろキャリアプラン」で、子どもたちが将来、社会の中で力強く生きていけるよう、「関わる力」「見つめる力」「解決する力」「生き抜(ぬ)く力」の四つの力を身に付けることを目指す。

体験的活動を通して生き抜く力を育む

 四つの力のうち「生き抜く力」では、さまざまな体験的活動を通して将来の夢や希望を持ち、その実現に向けて努力することを学んでいる。農場やスーパーマーケットなどの職場見学では、その仕事が私たちの暮らしにどう関係しているかを知り、また、働く人たちの仕事に対する思いなども実際にインタビューして聞いた。

 福祉(ふくし)の面ではパラ陸上の選手から話を聞き、車いす体験もさせてもらい、どんな立場や境遇(きょうぐう)にあっても夢や目標を忘れずに生きていくことの大切さを学ぶ。

 いじめ対策ではスクールロイヤー(弁護士)に、いままでにあつかった事案から、いじめを受けた人がどんなにつらい思いをし、時には自ら命を絶つ場合もあったことを聞き、子どもたちは真剣(しんけん)な気持ちで受け止めることができた。

おたがいを認め合うあったかことば活動

 「見つめる力」では「あったかことば活動」を通じ、日常の中で見つけた友達の良いところや、友達への感謝の気持ちなどを、ろうかの「えがおの木」に掲示(けいじ)している。

 日々の学級活動や道徳の授業でも同様で、例えば1年生は「今日のヒーロー・ヒロイン」を帰りの会で発表している。先生たちも日ごろから子ども一人ひとりに目を向け、良いところを積極的に伝えており、このため子どもたちの間でも、おたがいの個性を認め合う学級風土が自然に生まれている。

 「他者の目を通して、自分では気づかなかった良さや思わぬ適性が見つかり、自己理解と自己有用感が高まる。友達の良さを認め合うことは良い人間関係づくりにも役立ち、人権意識を高める取り組みともいえる」と教頭。

学び合う授業づくり「城ノ内小スタイル」

 「関わる力」「解決する力」では、学び合いとユニバーサルデザインを意識した城ノ内小スタイルの授業づくりを重視。学び合いではペア活動やグループ活動を通じ、友達とのかかわりの中で自分の考えを持ち、それを相手にも伝え、解決へ導く力を育んでいる。

 城ノ内小スタイルには焦点(しょうてん)化、共有化、視覚化という要素もある。焦点化は子どもが自ら興味を持ち、考えたくなる授業づくりで、主体的に学習に向き合える課題設定がカギだ。共有化と視覚化では1人1台のICT端末(たんまつ)や電子黒板を活用、全員が積極的に参加できる授業を作り上げている。