牛久市/牛久第二小学校

全員参加の「一人一実験」で主体的に学習に取り組む

 牛久市立牛久第二小学校では日ごろの取り組みが評価され、将来の科学技術を担う「人財」の育成と理科教育の振興(しんこう)を図る幡谷教育振興基金・いばらき理科教育振興事業の表彰(ひょうしょう)を受けた。同小では理科専科の先生のもと、実験や観察に主眼を置いた授業を展開し、主体的に学ぶ子どもたちが育まれている。


探究心を育てる少人数での実験

理科専科の先生が授業の中で特に心がけているのが「一人一実験」。できるだけ1人、または2人の少人数で実験を行うようにしている。
3年生の「電池のはたらき」、6年生の「二酸化炭素の水溶」などの実験はペアで、4年生の「空気の熱膨張(ぼうちょう)」、6年生の「ムラサキキャベツと酸アルカリ」などの実験は1人ずつ行った。少人数で行うことでだれもが実験に参加し、自分の目で見てふれて学ぶことができる。同小には実験の準備を手伝ってくれたり、実験のサポートをしてくれたりする理科専門のスクールアシスタントもいるため、多くの実験を行うことが可能になっている。
校長は「理科室は特別な場所ではなく、楽しい学びの場。好奇心おうせいな子どもたちは実験に積極的に取り組み、実験に慣れ親しんで自信をつけ、自分で課題を解決しいてく力を身につけている」と子どもたちの成長を見守っている。

科学研究作品展に142作品が応募

表彰を受けた背景には、科学研究作品展への積極的な応募がある。今年度は全児童の半数近い142作品の応募があった。夏休み前には取り組む課題を決めて研究の進め方や必要な物などを確認し、スライドにまとめてウェブで提出する方法を説明するなどして準備を整えた。子どもたちは、ペットボトルの中に雲を発生させる方法や果物の酵素(こうそ)に関する実験など、写真や動画を付けて研究成果をまとめ、夏休み明けには発表会を行った。

積極的に取り組む自然観察やICT教育

4年生は地域のNPO「アサザ基金」の協力のもと、「守ろう救おう牛久の自然」をテーマに地域の自然を調べる学習に取り組み、学校周辺の自然観察や、ミニビオトープを作って手入れや観察を行っている。またICT教育にも力を入れ、プログラミングによるロボットカーの自動走行などさまざまな授業を展開。外部講師による出前授業も多く行い、多様な視点から科学にふれる機会も設けている。
今回の表彰について「みんなの学ぶ姿勢が認められました」と子どもたちに伝えたという校長。表彰により、子どもたちの学ぶ意欲がより高まることを期待している。