つくば市/竹園学園

生成AIを使って納得 比例・反比例を学ぶ意義
つくば市立竹園学園では、生成AI(人工知能)など最新のICT(情報通信技術)を授業に活用している。竹園東小では、6年の算数の単元「比例・反比例」で、なぜこれを勉強するのかを、生成AIを使いながら考えた。
三つのルールのもと生成AIに相談
この授業では比例・反比例を学ぶ意義について、日常生活や将来とのかかわりから考えた。子どもたちはグループに分かれ、それぞれが選んだテーマで調べ学習を行い、その際に生成AIを「分からなかった部分はもう一度聞き返す」「作ったまとめを生成AIに読ませて反論してもらう」など三つのルールの下で使ってみた。
調べ学習で分かったのは比例・反比例は応用範囲(はんい)が広く、これを理解すれば他の教科や単元もスムーズに学習できること。小6理科の「てこの働き」や、中学の数学で学ぶ「関数」「グラフ」などの基礎(きそ)にもなっている。身近な例では料理で、人数に応じて材料の分量を増したいときにも役立つ。これらにより比例・反比例は学ぶ必要があると全員が納得できた。
知りたい答えが返るスムーズな調べ学習
生成AIを使った感想では「質問の仕方によっていろんな回答をしてくれる。知りたい答えがすぐ返ってきて、スムーズな調べ学習ができた」などの声が上がった。
6年担任の先生は「学習に生成AIを使うことは、見方や考え方を広げるのに有効な場面が多いと感じた。また、検索(けんさく)エンジンに比べ、スピーディーに回答が得られることに児童も良さを感じており、効果的に活用できたのではないかと思う。一方で、生成AIにたよりすぎるのではなく、生成AIが出した答えを批判的にとらえ、自分で調べて確かめることも必要。調べたことを自分の言葉でまとめたり、人に説明したりするなどの活動も大切だと思う。生成AIを活用することが、竹園スタイルの学び(問いが生まれる課題設定、仲間との対話、多面的・多角的に熟考する活動、ICT機器の活用)の実現のカギとなる。学力のみならず、生成AIを活用して身に付けられるさまざまな力を、将来にも生かし、世界に羽ばたいてもらいたい」と話す。
ICTは特別じゃない当たり前の存在に
同小では授業以外でもICTを活用。2月に行ったイベント「竹東王決定戦」では、参加者は上級生と下級生のペアになり、校内にはられたQRコードを探し歩いてタブレット端末(たんまつ)で読み取り、出てきたクイズを解いていった。
朝の会の1分間スピーチでは、アプリでプレゼン資料を作り、電子黒板に映して発表。学年が上がるごとに高度な技術を使いこなし、まとめ方も上手になっている。
「児童にとってICTはもはや文房具(ぶんぼうぐ)のひとつ。そばにあって当たり前の存在。生成AIも上手に授業に取り入れていきたい」と、教務主任の先生は話している。