つくば市/桜並木学園

科学の楽しさを学びのきっかけに「もっとサイエンス広場」
「自ら考え対話し、学び合う児童生徒の育成」を学園研修テーマに、各校が特色ある教育活動を展開するつくば市立桜並木学園(並木小学校、桜南小学校、並木中学校)。並木小では、「科学」「探究」「地域連携(れんけい)」をかけ合わせた取り組みを進め、一人ひとりが学びの主人公としてかがやく学校づくりを目指している。
科学教材に自由にふれ楽しさの中に学びを
タブレット端末(たんまつ)をかざすとその国の文化や歴史などいろいろな情報がとびだすAR技術を使った地球儀(ちきゅうぎ)や、ミクロの世界がじっくりと観察できる顕微鏡(けんびきょう)、光をあてると色が変わる不思議なたまご、本物の化石標本など。並木小1階のオープンスペースには、思わず手にとってみたくなる科学教材がたくさん並んでいる。
「もっとサイエンス広場」と名付けられたこの空間は、子どもたちの「なぜ?」や「もっと知りたい!」を引き出す体験型展示スペースだ。子どもたちは興味をもった教材を自由に手にとって体験することで、科学、物理学、地学、生物学などさまざまな理系分野の学びを楽しみながら深めていく。
「なぜ?」の気持ちが探究的な学びの始まり
探究的な学びの充実(じゅうじつ)を大切にする同小では、校内のさまざまな場所に「時計はどうして12時までなの?」といったクイズ形式のカードを置くなど、日常の中に疑問や発見を生みだす工夫を散りばめている。もっとサイエンス広場の取り組みもそのひとつで、子どもたちは「科学で遊ぶ」体験を通じて興味や関心のアンテナをのびのびと広げていく。
「まずは自由に教材をさわって楽しみ、次のステップとしてワークシートも用意している。設問に全問正解すると楽しいワークショップに参加することができるので、答えのヒントを探すために解説ボードをしんけんに読みこむ姿も見られ、楽しさの中に探究心が養われていると手応えを感じる」と、教頭は話す。
科学を起点に地域とのつながりを
同小ではまた、地域との連携にも力を入れている。地域に生息するアオサギの観察記録や皆既(かいき)日食に関する研究発表など、保護者や地域の研究者による展示物制作やミニ講演会はそのひとつで、ここでも科学が起点となっていることが大きな特色だ。
ほかにも、並木中等教育学校の生徒による展示や実験教室、サイエンスアキラ氏のマジックショー開催(かいさい)など、地域とともに科学の楽しさにふれる取り組みが活発に展開されている。

