つくば市/桜学園

自分の思いを伝え、相手を知る 心がつながる「ここのえトーク」

 つくば市立桜学園(栄小学校、九重小学校、栗原小学校、桜中学校)では、学園教育目標である「夢をもち、自立して社会に貢献(こうけん)できる児童・生徒の育成」を目指して各校が特色ある教育活動を展開している。その一例として九重小では、「伝える力」を育む取り組みに力を入れている。

言葉を交わす大切さ 思いを伝え合う時間を

 九重小では毎週水曜、朝の時間を活用して「ここのえトーク」を行っている。これは、クラス内で4人ほどのグループをつくってフリートークを楽しむ活動だ。トークのお題は「今度の運動会でがんばりたいことは何?」など、その時期に合った内容が中心で、活動のはじめに子どもたちと担任が話し合って決める。
 「何気ない会話の中で自分の考えを伝える、相手の思いを聞くことを通じて、表現力や相互(そうご)理解を高めていくことがねらい」と教頭。また、同小ではふだんの授業にもグループワークを積極的に取り入れ、一人ひとりの発言機会を増やす工夫も行っている。

学園内で一丸となりより良い学校づくりを

 昨年度から続けているここのえトークの成果は、先日行われた栗原小とのオンライン交流の時間にも表れ、初対面の相手に対しても構えることなく活発に言葉を交わす様子が見られたという。
 九重小と栗原小間の交流にとどまらず、桜学園では横のつながりを深める取り組みに力を入れている。各学年の担任らによる学年部会に加えて全教職員による三部会を組織し、情報共有や意見交かんの場を定期的に設けることでチーム一丸となって学園目標を目指す。来年度より新たに加わるさくら小の開校へ向けて、学校間の団結力はますます高まっている。

地域に根付く愛校心

その伝統を大切に  九重小は地域とのつながりも深く、そのひとつである「おやじの会」はPTA出身者が中心となって学校のサポートをする団体だ。活動は20年以上前から続けられ、環境(かんきょう)整備などの奉仕(ほうし)作業をはじめ、児童会のイベントの手伝いや古紙回収などで得た収益の寄付と、活動内容は多岐(たき)にわたる。「自分の子どもが卒業した後も、九重小の児童を『地域の子どもたち』と大切に思い、いろいろな面で気にかけてくれる気持ちがうれしい」と校長。「教職員同士のコミュニケーションも活発で、チームワークの良さを心強く感じる」と言葉を続け、これからもつながりを大切にした学校運営を続けていきたいと意気ごみを見せる。