つくば市/茎崎学園

小学生新聞

地域に支えられ、コミュニティ・スクール設置に向けて始動

 つくば市立茎崎学園では、「夢を描(えが)き、未来を拓(ひら)く子どもたちの育成」を目指して、さまざまな活動に取り組んでいる。その活動の多くは地域の人々の協力のもとに成り立っており、地域との密接な協力関係が同学園の特色ともいえる。

米づくりから学ぶ
食べることの大切さ

 茎崎第二小では5月18日(水)、茎崎第三小では5月20日(金)、校内の田んぼで5年生が田植えをした。田起こしや水張り、植え付けを地元農家やボランティアが指導。今後は子どもたちが水の管理もしながら生長を見守り、秋には収穫(しゅうかく)体験をむかえる。
 田植えはほとんどの児童が初めて。最初はこわがっていた子もがんばって植え、「昔は機械がなくて大変だったんだろうな」「こうやって植えたものが育っていき、自分たちが食べるごはんになるんだな」などの感想が上がった。

保幼小中高をつなぎ
健全な育成を図る

 昨年の10月、茎崎学園の子どもたちに「青少年を育てるつくば市民の会茎崎支部」から、たくさんのさつまいもが届けられ、大きな歓声(かんせい)があがった。新型コロナウイルス感染防止のため、例年大勢の人で楽しんでいた「さつまいも掘(ほ)り」が中止になったため、茎崎地区の保幼小中高の子どもたちに届けてくれたものだ。他にも、コロナ禍(か)でもできることとして各家庭でのキャンドルナイトの企画(きかく)や各学校代表の作文が掲載(けいさい)された「少年の主張」作文集の配付、「善行賞表彰(ひょうしょう)」の紹介(しょうかい)など、コロナ禍で集合することが難しい中でも、同支部が各学校の取り組みをつないでいた。

今後も地域と共に
進める学園づくり

 学園内の二つの小学校では通学ボランティアとして地域の人が登録し、毎日子どもたちに付きそって歩いたり、家の近くで見守ったりするなど、安全確保のため協力。NPO法人「桜が丘おはな会」の人たちも、青色回転灯付きパトロール車で地区内の見回りをしている。「通学路の安全を守る会」では通学路危険箇所(かしょ)マップを作成し、子どもたちや保護者への注意喚起(かんき)に貢献(こうけん)している。このように多くの人々の協力により、茎崎学園の安全は守られている。ほかにも、ゲストティーチャーとして教育活動に協力してくれる地域の人も大勢いる。11月に行われる各校の文化祭では、お世話になった人たちを招待し、感謝の気持ちを伝えている。地域の人からは「茎中生は向こうからあいさつしてくれる」などの声が聞かれる。密接なつながりの賜物(たまもの)だ。
 茎崎学園では、2024(令和6)年度に「コミュニティ・スクール」を設置する予定。共に意見を出し合い、学校運営に反映させていく制度だ。その導入に向け、今年度から準備を進めている。地域に支えられた学園としての強みをより生かしていく予定だ。