つくばみらい市教育委員会

小学生新聞

無意識に誰かを傷つけないために
LGBTQの立場から考える人権教育

8月3日(水)、きらくやま世代ふれあいの館(同市神生)で、特定非営利活動法人の性的マイノリティ団体「RAINBOW茨城」の会長飛鳥さんを講師に招き「人権教育講演会」が開かれた。新型コロナウイルス感染拡大のため、急きょオンラインに変こうされ、誰もがありのままに過ごせる社会にしたいという当事者の思いに、先生たちは画面ごしに耳をかたむけた。

ちがって当たり前と誰もが思えるように
 温かな人間関係を築くために大切なのが、一人ひとりの人権を尊重すること。いじめや不登校、差別など、さまざまな問題に対処し、すべての人が生き生きと生きることができる社会をつくるために人権教育の充実(じゅうじつ)を図ろうと開かれた今回の講演会。市長と教育長も参加し、講演の様子はオンデマンド配信された。
 講師の飛鳥さんは同性愛者で、当事者の視点から「今、知るべきLGBTQ~無意識に誰(だれ)かを傷つけていませんか~」という演題で、およそ1時間の講演を行った。
 飛鳥さんはまず、性的マイノリティであるLGBTQについて説明し、LGBTQを身近に感じてほしいと話した。11~13人に一人いるといわれていて、どこにでも当たり前に存在していること。それにもかかわらず、日本ではパートナーシップ制度の導入は進んでいるものの、同性婚(こん)が認められていない。「ただ自分たちもふつうに法律で守られ、ふつうに生活したいだけ」と当事者の立場からうったえた。
 また、誰もが当てはまる性的指向・性自認について表すSOGIについても説明。自分を知るためのチェックシートを示し、一人ひとりちがって当たり前で、誰もが同じように尊重されるべきであると強調した。

言葉かけ一つで救われる人がいる
 そして「無意識に誰かを傷つけていませんか」と飛鳥さん。例えば「彼氏・彼女いるの?」という言葉に傷つく同性愛者は、「パートナーはいるの?」という言葉に変えるだけで救われること、無意識に言った言葉が誰かを傷つけているかもしれないこと、結婚は信頼(しんらい)につながるという価値観が、結婚を認められない同性愛者を生きづらくさせていること。
 また「女の子らしく」「男のくせに」と見た目で性別的役割を強要し、いやな思いをする人がいることに思いをはせてほしい。「うちの学校にはいない」ではなく、「うちの学校にもいるかもしれない」と思って子どもたちにも接してほしい。当事者を救うためにも、できれば学校教育の早い時期から、当たり前に存在していることを教えてあげてほしいと話した。

一人ひとりを尊重し知ることから始めよう
 飛鳥さんはカミングアウトについても言及(げんきゅう)。「生まれてこなければよかった」と思ってしまったという自身の苦しい体験をふまえ、カミングアウトは当事者にとっては命に直結することであると話し、もし誰かにカミングアウトされたら、どうして自分に話してくれたのかを考えてほしい。まずは知ることから始めよう、それが当事者を救うことにもつながると話して講演を終えた。
 講演後、教育長は「講演者の言葉はとても説得力があり、考えさせられる内容だった。言葉かけ一つでも意識するだけで人は行動も変わっていく。学校教育においても身近にいるかもしれないことを忘れず、あなたは一人ではないというメッセージを送れるようにしたい。そうして一人ひとりの人権を尊重し、誰もが楽しく通える温かな学校づくりをしていきたい。」と話した。