土浦市新治学園義務教育学校

新治学園

土浦市立新治学園義務教育学校では、地元農家の協力で子どもたちが米作りにはげんでいる。地域と学校が協働して子どもたちを育むコミュニティ・スクールの取り組みで、地域の人と交流を深め、郷土愛を育むことがねらい。昨年は3年生と5年生が米作りで知った地域の魅力を発信した。今後同校では地域活性化にもつなげたいと意気ごむ。

地元農家の手ほどきで異学年で米作り
 毎年、地域の協力を得て、取り組んでいる米作り体験。昨年度は3年生と5年生105人が地元農家のゲストティーチャーの手ほどきを受け、5月にはぬかるんだ田んぼに足を取られつつ苗(なえ)を植え、10月には黄金色の稲(いね)をカマで刈(か)った。はじめは作業がおぼつかなかった3年生も5年生にやさしく教えてもらい、スムーズに動けるようになった。後日、できたお米を届けてくれたゲストティーチャーが「豊かな自然と人の温かさにめぐまれた新治地域をほこりに思って」と話すと、子どもたちは真けんな表情で聞き入った。

「新治のお米」

児童がラベルでPR
 さらに「子どもたちが作ったお米を食べてみたい」という保護者の声にこたえ、お米を保護者に販売することに。米袋には「新治のお米のよさを知ってもらおう」と3年生と5年生が思いをこめて描(か)いた、大きな白米のおにぎりやお茶碗(ちゃわん)を持った家族など8種類のイラストをラベルにしてはった。購入(こうにゅう)した保護者からは「ご飯のありがたみが感じられた」「お米ができる大変さを話し合うきっかけになった」と好評で、地域と協働した米作りについても「子どもが周りに支えられていることに気づく意義がある」など継続(けいぞく)を願う声が寄せられた。

米作りで知った地域の魅力さらに発信
 教頭は「3年生では『私たちの町紹介』の授業で、他校の児童に米作り体験を紹介する取り組みもできた。単にお米を作って終わるのではなく、子どもたちが米作りで知った地域の魅力を『新治のお米』という形で発信し、地域活性化につなげていくことを目指したい」と熱をこめた。
 今年度も5月30日(月)に3年生と5年生125人が田植えを行い、米作りがスタートした。同校では、今後も新型コロナの感染状況(じょうきょう)を見ながら、子どもたちが米作りを通して地域を知り、さらに多くの人に発信する機会を設けたいと考えている。