つくばみらい市/小張小学校

小学生新聞

養護教諭が個別に健康相談
きめ細やかな対応で不安や悩み解決

つくばみらい市立小張小学校では年3回、養護教諭(きょうゆ)が全校児童に個別健康相談を行っている。子どもたちの健康状態を知って健康管理に役立て、不安や悩(なや)みの解決につなげることがねらい。昨年度は取り組みが評価され、県健康推進学校優秀賞を受賞。小規模校の特色を生かし、きめ細やかな対応で子どもたちの学校生活をサポートする。

保健室から「招待状」
一人ひとりに向き合う

 健康相談は7年前に始まり、7月、11月、12月の年3回実施(じっし)している。事前に子どもたちに心身の健康状態をたずねるアンケート「保健室からの招待状」を送り、その回答をもとに、養護教諭が保健室で一人ひとりに向き合い話を聞く。
 昨年度の相談では「町でマスクをしていない人を見ると不安になる」「(新型コロナウイルスに)うつるのがこわい」などコロナ関連の不安が多く、そのほか「夜ねむれない」「生理について知りたい」など心身の変化や不調についてはば広い訴(うった)えがあった。
 コロナ禍もあり一見問題なく見えてもばくぜんとした不安をかかえている子は少なくない。多くの子は一対一で話を聞くだけでも気持ちが落ち着くという。さらに不安が強い子については、担任の先生と情報を共有し、チームでの継続(けいぞく)的な見守りにつなげている。

自分自身を見つめ
健康意識高める

 これらの対応が功を奏し、昨年度の健康相談では、コロナ禍の不安や心身の不調を訴える子どもの数が、7月に比べて11月は減少。子どもたちが内面にかかえがちなコロナ禍の不安を積極的に相談できる機会を設けたことが評価され、2月には県健康推進学校優秀賞を受賞した。
 今年赴任(ふにん)した養護教諭の後藤沙織先生は「今はSOSを出しにくい子もいると聞く。この7月の健康相談では、まず相談できる場として保健室を知ってもらい、大人に相談してもいいんだよと伝えたい」と述べ、校長は「一人ひとりにきめ細やかに対応できるのが小規模校のよさ。健康相談を機に、子どもが自分自身を見つめ健康に関心を持つきっかけになるといい」と話した。


予防的な取り組みで
元気に学べる学校に

 同小ではこのほかにも毎月各学級で学校生活に関するアンケートを実施。子どもたちが困っていたりいやな気持ちになったことについては、担任の先生がいち早く対応して解決できるよう努めている。また毎年11月には全校をあげて「いじめゼロフォーラム」を開催(かいさい)。いじめのない学校づくりに向けて、子どもたちが標語を作り、全員で決意を表明する。
 校長は「うちの学校の校訓は『明るく 仲よく 丈夫に』。子どもたちが元気に登校して安心して学習するためにも、さまざまな予防的取り組みで相談しやすい土壌(どじょう)をつくり、楽しく学校生活を送れるようにサポートしていきたい」と話している。