水戸市教育委員会
「次世代エキスパート育成事業」
梅染めワークショップを開催
水戸市では、国内外で活やくできる人材(エキスパート)を水戸から輩出(はいしゅつ)することをねらいに「次世代エキスパート育成事業」を展開している。10年目となる今年は、五つのコースで5回の学習会を開催(かいさい)。7月3日(日)には、水戸市少年自然の家を会場に、本年度新設された「アーッと驚(おどろ)くアートリーダー育成コース」の第1回目を実施(じっし)した。
五つの分野で
学習にチャレンジ
「次世代エキスパート育成事業」の対象は、水戸市立小学校・義務教育学校の6年生、中学校の1年生・義務教育学校の7年生、県立水戸第一高等学校附属中学校1年生で、市内の教育資源である高等学校・短期大学・専門学校・有識者等の協力を得ながら、学校をこえて同世代が集い、学習をする場を提供する。
「ミニスーパーサイエンスコース」(32人)は、スーパーサイエンスハイスクールに指定されている県立水戸第二高等学校と連携(れんけい)し、科学への興味を高めていく。「ますmath数楽NEXTコース」(41人)は、県立水戸第一高等学校と連携し、数学的思考を高める。「英語で水戸の魅力(みりょく)発信リーダー育成コース」(15人)は、県立水戸桜ノ牧高等学校と連携し、水戸の歴史や魅力を英語でプレゼンテーションすることを目指す。「ICTエキスパートコース」(20人)は、県立IT短期大学と連携し、プログラミングやマイクロコンピュータの演習に挑戦(ちょうせん)。「アーッと驚くアートリーダー育成コース」(23人)は、文化デザイナー学院と連携し、作品づくりに取り組む。
偕楽園の梅の木で
梅染めワークショップ
「アーッと驚くアートリーダー育成コース」の「知って、つくって、ともに楽しむ梅染めワークショップ」には23人が参加。講師の水戸ユネスコ協会の林会長の指導のもと、文化デザイナー学院の学生のサポートで梅染めを体験した。最初に林会長から、染色や草木染めについて講義があり、「今回の梅染めは、偕楽園の梅の手入れで不要になったせん定枝を煮出してつくった染色液で布を染める」という説明の後、染色するハンカチが配られた。生地を熱した染色液につけ、染めた生地を媒染(ばいせん)し、水洗い、かげ干しをして梅染めが完成。参加した子どもたちは「思っていたよりきれいに染まった」「アートのイベントが好きで参加した」と楽しんでいた。文化デザイナー学院の学生は、「子どもたちが個性豊かで意欲的で素晴らしい」「ふだんの授業はパソコンだが、自分の手でつくることがいい経験になった。小中学生との交流で新しい発見もあった」と話していた。梅染めや、捨てられる栗の木を生かしたオブジェづくりに挑戦し、ものづくりとともにSDGsの目標の一つである「むだにしない」を実践(じっせん)する機会となった。