龍ケ崎市教育委員会

小学生新聞

幼児教育と小学校教育の接続を
いっそうスムーズにする研修会

龍ケ崎市では7月28日(木)、幼稚園や保育園などでの幼児教育と、小学校における学校教育の接続を推進するための研修会を開いた。参加者は市内各小学校で保幼小連携(れんけい)コーディネーターを務める教職員10人。コロナ禍(か)により保幼小の交流が減っている現状において、研修を通じて幼児教育への理解を深めると同時に、各校の取り組みを紹介(しょうかい)し合う情報交換(こうかん)の場にもなった。

幼児期は遊びから
非認知能力を育てる

 研修ではまず、幼児教育と小学校教育での学びのちがいを再確認。「幼児期は遊びそのものが学び。手や体を動かしながら、学びに向かう力や人間性といった非認知能力を育み、それが小学校での学習の下支えになる」と、講師で市教育センターの稲垣課長補佐。
 DVD視聴を通しての演習の一つである「コマに夢中」では、コマ回しを練習する園児の姿が紹介された。発表のときは緊張(きんちょう)して失敗続きだったが、周りの友達の応えんにも支えられ、ねばり強く何度も挑戦(ちょうせん)し、ついにかべを乗りこえることができた。この事例では目標に向かって試行錯誤(しこうさくご)しながら、一つひとつの課題に取り組むうちに、探求心や集中力、自発性など多くの力がつき、また失敗のくやしさや、成功したときの達成感、応えんしてくれた友達への感謝など、さまざまな思いも味わったことが見てとれた。


園児から学童への
スムーズな接続に

 このような学びを経て成長してきた園児たちも、いざ小学校に入学すると、すぐに能力を発揮できるとは限らない。授業の流れや生活の決まりごとなどへの不慣れもあるからだ。その段差を少しでもうめようと、保育園や幼稚園ではアプローチカリキュラム、小学校ではスタートアップカリキュラムを作成している。両者を照らし合わせ、整合性を持たせることも重要だ。
 「一つの小学校に対しては、多くの保育園や幼稚園から子どもたちが集まってくる。園によって特色や教育方針もちがうので、それぞれの独自性を理解・尊重しながら、市として大切にしたい資質や姿勢について今後考えていきたい」と稲垣課長補佐。

園児が経てきた
学びを知る機会も

 コロナ禍以降、保幼小が直接交流する機会が減った中で、いかに連携を進めるかという問題もある。新入児童に関する情報として保育園や幼稚園では、在園中にどのような学びを経てきたかを資料にまとめ、小学校へ提供しているが、やはり対面での話し合いも必要という声は多い。
 一例としてまつやま中央保育園では、最寄りの龍ケ崎西小との間で小学校と保育園の取り組みを直接情報交換する「架(か)け橋タイム」を行うほか、公開保育の機会を設け、園として力を入れている活動なども各小学校の先生に伝えている。
 公開保育に来園していた、長山小の保幼小コーディネーターを務める先生は「保育園や幼稚園で子どもたちはさまざまな経験を積み、年長児は園のリーダーも務めてきたが、小学校では上級生にめんどうをみてもらう立場に逆もどりすることもある。幼児教育でつちかってきた力を小学校生活に生かしたい」と話した。