土浦市/菅谷小学校
校外学習で消防署見学へ 教科書にはないリアルな体験を
9月29日(木)、土浦消防署を訪れた土浦市立菅谷小学校の子どもたち。社会科の校外学習として、消防署内の見学や119番通報の体験、火事のこわさや消防隊の仕事について学ぶDVD学習などが行われた。本物の消防車や救急車を間近に見たり、消防隊員の説明に熱心に耳をかたむけたり、教室を飛び出して生き生きとした学びの時間を楽しんだ。
3・4年生合同で 2年ぶりの校外学習へ
同校では例年、3年生が消防署見学に参加するが、今年は4年生もいっしょに参加した。昨年度はコロナ禍(か)によって校外学習が実施(じっし)できなかったためだ。3年生と4年生はそれぞれ2台のバスに乗って学校を出発。土浦市田中町の土浦消防署に着くと2組にわかれ、3年生は消防車の見学から、4年生は消防署内の見学からスタートした。
はしご車やポンプ車、救助工作車などいろいろな消防車を順番に見学し、「この車は何をするためのものでしょう」「何リットルの水を積めるでしょう」という消防隊員の質問に元気に答える子どもたち。「8千リットル、家のおふろで使う1カ月分以上の水が積んであるんだよ」との説明には「えーっ」とおどろきの声があがり、はしごがのびる様子や車の内部を興味しんしんに見学した。
さまざまな体験が 生きた学びの機会に
消防署3階にある119・171通報体験コーナーでは、近所の家が火事になった場合の119番通報などを体験。パソコン画面の中からの「火事ですか、救急ですか」「住所をおしえてください」といった問いかけに、緊張(きんちょう)しながらもしっかりと答え、「本当に火事が起こったときも通報できそうかな」という質問には全員が「はい」と力強くうなずいた。
続いて、消防隊員の活動の様子などを紹介(しょうかい)するDVD映像を見て、先ほど見学した消防車が実際にどのように活やくしているかについての学びも深めた子どもたち。消火せんや防火水そうからポンプ車が水をくみあげる方法や、折りたたんだホースがすばやくのびる様子など、説明を聞いただけではイメージしづらかった場面も映像を見ることでしっかりと理解できたようだ。
興味の輪を広げる リアルな学びの場を
見学の最後に用意された質問の時間には、たくさんの子どもたちが積極的に手をあげて「何回火事が起こりましたか」「救急車は何分くらいで着きますか」など、気になったことを次々と質問。なかには「ホースから出る水はどのくらいの速さですか」と、消防隊員をどぎまぎさせる質問もあり、時間が足りなくなるほど盛りあがった。
3年生を引率した担任の先生は「実際の消防隊員や消防車の存在感、現場で活やくする人の生の声は、教科書からは感じ取れないもの。社会科だけでなく、たとえば理科でも生きものや植物などに実際にふれて、やわらかさや温かさを実感できる学びの機会を大切にしていきたい」と話す。二次元では体験することのできない厚みのある学びが経験できる校外学習は、子どもたちの興味をさらに大きくふくらませる貴重な時間。子どもたちからは「ほんものの消防車にさわることができてうれしかった」「消防車は1台しかないと思っていたのでたくさん種類があっておどろいた」という生き生きとした感想を聞くことができた。