水戸市/稲荷第二小学校

小学生新聞

「稲穂の心」で自分も友達も
みんなで健やかに成長

水戸市立稲荷第二小学校は、1873(明治6)年に前身の新山小学校が開校した市内でも歴史のある小学校。1996(平成8)年に現在の場所に校舎を新築、周辺の造成された住宅地と古くから地域で暮らす家庭の子どもたちが通学している。緑豊かな環境(かんきょう)の中、基本理念である「稲穂(いなほ)の心」を大切にしながら教育に取り組んでいる。

三つのプロジェクトで
元気な学校づくり

 基本理念の「稲穂の心」には、「自ら黄金色に輝(かがや)き、周りをも活かして和し、礼を正す」という意味があり、理念に基づく柳校長の今年度の教育目標は、「役に立つ喜びを知る子の育成」。「自分のことだけでなく、他の人にありがとうと言われる喜び、他の人が成長する喜びも自分の成長につながる」というのが校長の考えだ。
 三つのプロジェクトを展開中で、学力向上プロジェクトは、目的意識を持って自分の考えを伝えたり、友達の意見と比べながら考えを深めることができる児童の育成。豊かな心づくりプロジェクトは、自分の良さを知り、良さを生かし、役に立とうとする児童の育成。健やかな体づくりプロジェクトは、健康な体づくりや安全な生活のために、主体的に取り組む児童の育成を目指している。

みんなで元気に
だれかの役に立つ活動

 コロナ禍(か)でさまざまな行事ができなかったが、子どもたちは元気にできることから活動を広げている。清潔なまちづくり運動では、各学年が学校の敷地(しきち)内だけでなく近くの公園などでも落ち葉はきを行っている。地域の役に立っている活動で、「自分たちがきれいにするんだ」という気持ちで取り組んでいる。
 また、縦割り班活動「いなり班活動」も再開した。1年生から6年生までが20人ぐらいずつ12班に分かれ、活動する。初めて会う子どもたちが仲良く活動できるように、5・6年生がリーダーとなり、コミュニケーションをとることから始める。2学期は外で遊ぶ活動を始め、おにごっこやドッジボールなどを楽しんだ。昨年度できなかった、体育館での全校集会もできるようになった。

地域の人が見守る学校
 地域との交流はまだ難しい状況(じょうきょう)だが、地域とのつながりは強く、子どもたちの登下校は、保護者や地域住民が活動するスクールガードが見守りを行ってくれている。子どもたちが野菜を栽培(さいばい)している学校畑も、苗(なえ)を植える前に地域住民がトラクターで耕してくれる。教頭は、「今は学校生活が思うように送れない不自由があるかもしれないが、それに負けないでみんなよくがんばっている。みんなで人の役に立つ喜びを感じ合いながら、学校を盛り上げていきたい」と話した。