水戸市/城東小学校

小学生新聞

地域とともに歩んだ150年 歴史と伝統、笑顔を未来へ

 水戸市立城東小学校は今年、創立150周年をむかえた。1873(明治6)年に蒼龍(そうりゅう)学校として開校して以来、大水や戦火を乗りこえてたくましく歩み続けてきた。節目となる今年度は、代表委員会の児童が中心となって150周年を記念するさまざまな取り組みを行っている。

まちを身近に感じる特色ゆたかな教育活動

 同小のシンボルは、校庭の東側に建つ水戸城の模型「蒼龍城」だ。学区内には日本画家の横山大観や第19代横綱(よこづな)の常陸山関の生誕の地であることを示す記念碑(きねんひ)が置かれ、地域とともに歩んできた歴史と伝統を感じさせる。

 また、水戸で生まれた泳法である「水府流水術」の講習会や、七面焼きの教室、お茶会、城東の歴史と史跡(しせき)を学ぶ学習会、那珂川のサケの飼育と放流など、長年取り組んできた特色ある教育活動にも地域との深いつながりや伝統が息づいている。

 「暑さのせいで水泳教室ができなかったり、サケの遡上(そじょう)が激減して卵や稚魚(ちぎょ)が手に入らなかったりと、時代の変化に泣かされる場面もあるが、そのたびに地域の方々のあたたかい支えを実感する」と話す教頭。那珂川の生態系にふれられるようにと観察用の川魚やウナギを届けてくれる人、校庭の草かりを手伝ってくれる人、地域の歴史を学ぶ特別授業の講師を快く引き受けてくれる人。地域に愛され、支えられて歩んできた同小の一画には、地域の人が自由に散歩することのできる遊歩道と「野鳥の森」が広がっている。

児童たちの声をいかし思い出に残る一年に

 創立150周年記念のスローガンは「150年の歴史と伝統を そして笑顔あふれる城東を 未来へつなごう いつまでも」。これは全校児童から集めた言葉を組み合わせて代表委員の児童たちが考えたものだ。教頭は「今年は特別な一年だということを意識し、歴史をふり返るとともに学校への愛着や誇(ほこ)りを高めてほしい」と話し、記念ポスターや垂れ幕で150周年を印象づけるほか、運動会やあいさつ運動などの学校行事を記念行事化する取り組みを行っている。そのひとつが、学校のキャラクター「蒼龍くん」と「たまちゃん」をあしらった記念品だ。これも、形に残る思い出がほしいという児童の声をいかした取り組みで、運動会の表しょうカードやあいさつ運動のがんばりシール、職員のポロシャツなどが制作された。

 11月に開かれる記念行事も児童のアイデアを存分にいかした内容となる予定だ。児童による城東小の歴史の発表や水戸市内の高校書道部のパフォーマンス、地域団体による昔のスライドショーなど、思い出に残る記念行事に向けて準備が進められている。