つくば市/みどりの学園義務教育学校

みどりの学園

新しいものが使えるだけでなくより良く生きるためのICT

 つくば市立みどりの学園義務教育学校の特色は、ICT(情報通信技術)を活用した先進的な教育。いま話題の生成AI(人工知能)やメタバース(仮想空間)なども取り入れ始めている。「本校は最先端(せんたん)が期待される部分もあり、常に新しいチャレンジが必要。単に新しいだけではない、より良い学びを提供していきたい」と土屋嗣教頭は話す。

いつもと違う場所で初めての体験学習

 授業でメタバースを体験したのは3年生。教育用仮想空間「FAMcampus」の中にある教室に、2学級の児童が顔をそろえた。1グループごとに1体のアバター(分身)を使い、アバター同士が顔を近づけると自動的に話し合いが始まる。

 学んだのは国語の「ことばで絵を伝えよう」という単元。話す順序や説明の仕方によって伝わり方にちがいがあることなどが分かった。メタバースの感想としては「別々の場所にいるのに、同じ空間を通して話ができて楽しかった。勉強になった」などの声が聞かれた。

 「学びの多様化に向けた支援(しえん)にも役立ちそうだ。人と接することが苦手な子でもゲームをするような感覚で対話したり、ホワイトボードに書いて伝えたりできる。オンライン授業にも最適。公園でいろんな生き物を観察したり、美術館を見学したりする形でも交流してみたい」と先生。

意図や目的により動かし方も変わる

 4年生はロボット教材「マインドストーム」を使い、プログラミングを学んでいる。最初の授業では導入として、プログラミングの基礎(きそ)であるアルゴリズム(作業手順)の重要性について考えた。例えば店で買い物をするとき、手早く買いたい人なら最短コースで行くし、商品を見比べたい人は店内をくまなく歩くといったように、目的によって行き方は変わってくる。

 次の授業では実際にロボットカーを走らせた。ここでも「いちばん早くゴールへ着くには」という目的意識をもち、それを達成するためのコース選びや、ロボットの動き方などをみんなで検討した。「子どもたちは活発に意見を交わし、『こっちなら何秒で行けた』とか『こう行くよりこっちの方が何マス少ない』などと自分なりの言葉で説明する声が、教室のあちこちから聞こえてきた」と先生。

電気を節約するプログラミングも

 6年生は理科の「私たちの生活と電気」の単元で、身の回りのものに目を向け、電気を節約するためにどんなプログラミングがされているかを考え、実際に作ってみた。例えば夜になると点灯する街灯、人が近づくと明るくなる自動販売機(はんばいき)、部屋の温度が上がると回りだす扇風機(せんぷうき)など。東京ドームで気圧が下がると自動でモーターが回り、空気が補充(ほじゅう)されるシステムを再現した子もいた。

 「教育用マイクロコンピューター『マイクロビット』に拡張ボード『赤ボード』を組み合わせると、光、温度、気圧などのセンサーが手軽に使える。みんなで順番に試しながら、各自が成功体験を積むことができた」と先生。

 教頭は「ICTは単に使えるだけでなく、上手に使うことが重要。先生方は子どもたちの将来に役立つよう、授業にたくさんのチャレンジや工夫を取り入れている。その意欲を大事にし、支えていきたい」と話している。