つくば市/吾妻学園
みんなの力で理想の学校にしよう 児童による「幸せな学校メイキング」
つくば市立吾妻学園では、子どもたち自身が主体となって「みんなが幸せを実感できる学校づくり」に取り組んでいる。吾妻小学校では、自分たちの学校を自分たちの手で良くしようと、さまざまな活動を子どもたちのアイデアで進めており、取材を受けてくれた子どもたちがプレゼンテーションしながら発表してくれた。
キャラクターを使い楽しく熱中症予防
保健委員会ではこの夏、その日の熱中症(しょう)警戒(けいかい)レベルを紙に書き、昇降(しょうこう)口の前に置いたキャラクターに持たせて、みんなに注意をうながした。10月には目の愛護デーにちなみ、目の健康を子どもたち自身で調べ、各教室に出向いてうったえた。
読書推進委員会は、図書室に親しみをもってもらおうと、さまざまなイベントを行っている。その一つ「おばけちゃんを探せ」は、本だなにかくしたイラストを見つけて、そこに書かれた文字を並べかえると、ある言葉になる。
体力向上委員会は、子どもたちの声をひろい、みんなが休み時間にサッカーやバスケットボールのコートを楽しく使えるよう、スケジュール表を作った。各学年とも利用回数が平等になるよう気を配り、地図と番号を対応させて一目で分かるように工夫した。
みんなが使いやすく校内環境をチェック
環境(かんきょう)委員会は、そうじをするとき用具が見やすく、取り出しやすくなるよう、そうじロッカーの整理整頓(せいとん)について、全校に向けプレゼンした。
福祉(ふくし)委員会は、結核(けっかく)などに苦しんでいる人たちを救う「複十字シール運動」に取り組んだ。ポスターや校内放送で呼びかけるほか、低学年にも分かりやすいよう動画も作り、手作りチラシをアプリで送り保護者に対しても理解を広げた。
放送委員会では今、みんなの手紙を受け付ける投書ボックスを準備中。もらった投書はラジオのように、お昼の放送などで読み上げる。書く内容は自由で、日ごろのいろいろなことでも話題にできる。ポストは手づくりだ。
考えを持ち寄ってルールメイキング
縦割り班による「さわやか活動」では、さらに規模を拡大した「全校遊び」をしようと6年3組の児童2人が提案。学年をこえた交流がさらに深まるとの考えだ。
企画(きかく)委員会では、学校のルールを見直した。「ろうかを走らない」は、みんなの安全にかかわることなので、新しいルールに取り入れた。「シャーペンを使わない」は、便利なので使いたいという意見もあり、さらに話し合っていくことにした。
ホタル池実行委員会では池の利用ルールを見直し、人と生き物の共生を目指した。生き物をとって観察したいという少数意見もあり、対話を続けた結果、子ども手づくりの3カ条ができた。
教頭は「おやじの会の防災教育など地域の人に支えられながら『大切なのは自分だけでなく、みんなが幸せを実感できること』という願いが子どもたち自身にも芽生えている。多様な考えを持っている子どもたちが、たがいの良いところを取り入れながら学校づくりを進めている」と話す。