土浦市/荒川沖小学校

小学生新聞

6年間の集大成を全力で表現 心を受けつぐ、荒小のソーラン節

 十数年前から全国各地のイベントや小学校の行事などで盛んに行われるようになったソーラン節。土浦市立荒川沖小学校では、曲やふりつけを独自にアレンジした「荒SHOWソーラン」が代々受けつがれている。今年5月、4年ぶりに全学年がそろって開かれた運動会では、5・6年生による元気いっぱいのソーラン節が会場を盛り上げた。

一人一役を担い自分たちでつくる運動会

 同小では年間を通じてさまざまな行事や取り組みが行われているが、子どもたちが特別楽しみにしているのはやはり、仲間といっしょに全力プレーを楽しむ運動会だ。コロナ禍(か)によって、学年を分けて行うブロック開催(かいさい)が続いていたため、全校児童が勢ぞろいしての運動会は4年ぶり。本来より規模を縮小して午前中のみの内容とはなったものの、「仲間を信じ合って、全力で勝利をつかみ取れ!」のスローガンのもと、徒競走や紅白対抗(たいこう)リレーなどの競技のほか、ダンスなどの表現運動にも全力で取り組んだ。

 「準備や片付けはPTAの方々にご協力いただき、運営進行は6年生が中心となってスタートの合図出しや整列指示などを立派にこなしてくれた。高学年が責任をもって自分の役割をはたす姿はとてもたのもしく、下級生にも感じるものがあったはず」と、教頭は目を細める。

6年生から5年生へ 荒小の伝統と心を伝える

 運動会のスローガンにある「全力」の言葉は、今年度の6年生のテーマでもある。競技も係の仕事も、全力で取り組んだ6年生のがんばりがひときわかがやいたのは「荒SHOWソーラン」の演目だ。かけ声も自分たちで工夫して、この日のために一生けん命練習を重ねた。大きな大漁旗を力強くふり、声を張り上げておどり、はく力満点の演技を見せてくれた。教務主任は「とても見応えがあり、保護者からも感動の声があがった」とふり返るとともに「5年生へ教える姿にも荒小の伝統を受けついでいこうという強い思いがあらわれていて素晴らしかった」と賛辞をおくる。

社会の課題について考えこれからの成長にいかす

 全校児童による行事に加え、同小では3年生から6年生までの学年ごとに総合的な学習の機会を設けている。3年生は福祉(ふくし)、4年生は環境(かんきょう)、5年生はキャリア教育、6年生は国際理解がテーマだ。教室で学ぶだけでなく、外部講師による講演を聞いたり、校外学習でリアルな体験をしたり、生きた学びを通して得るものは大きい。例えば3年生は実際に車いすに乗って校内を移動したり、アイマスクをつけて歩いたりしてバリアフリーの大切さについての意識を高める。また、4年生は廃(はい)ガラスを使ったアート作品づくりや、霞ヶ浦の水質や環境を学ぶ湖上体験などを行っている。

 これらの総合的な学習のねらいは、豊かな心を育むとともに、地域社会で活やくできる力をつくるきっかけとなること。学びの成果を発表する学習発表会「ハッピーステージ」に向けての準備もまた、成長や発見の場となっている。